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迷いの竹林
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おっ、やっと見つけた！
こんなところにいたのか。
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あら、貴方は……。
こんな所で、珍しいわね。
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ほら、これ。永琳からの届け物だ。
配達してくれって頼まれてたんだよ。
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あの月の賢者が？　どうして貴方が、
彼女からの荷物を預かっているの？
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えっ？　いや、別に、永遠亭に侵入したところを
見つかってこき使われてる、とかじゃないぞ！？
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なるほど、罰として、
お使いをさせられているってわけね。
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さて、月の賢者は、
私に何を送ってよこしたのかしら？
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これは香炉と……。
なるほど、そういう魂胆か。ふふふ。
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なんだよ、急に笑いだして。
普通の上品な香炉に見えるけど？
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ああ、香炉は確かに良い品ね。
問題はこの、賢者のお手製のお香のほう。
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特別な呪いがかかっている。焚いたら最後、
当分の間、彼女に居場所を把握されてしまうでしょう。
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こんな厄介なものが届くとは……。
まったく、信用がないって悲しいことね。
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永琳のやつ、そんなものを私に運ばせたのか！？
うーん。焚く前に気づいて、よかったな。
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ま、彼女も賢者の一人。私が気づくことも
見越しての行為、でしょうね。
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んん？　どうして、罠だってバレるものを
送る必要があるんだ？
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牽制。いつも監視しているから
余計なことはするなと、圧力をかけているのよ。
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はー……。頭のいい奴らって、
すぐにそういうややこしいことするよな。
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あら、他人事<style=p3>ひとごと</style>みたいな顔をしてるけど、
たぶん貴方にも関係あるわよ？
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……えっ！？　な、なんでだ！？
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お前が妙なことをしたら、
すぐにこの魔法使いを差し向ける……。
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たぶん、そういう意図もあるはずよ。
わざわざ貴方に運ばせたのが、その証拠。
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永琳のヤツ、また人のことを駒みたいに
使いやがって……！
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決めた！
今度という今度は、アイツに仕返しするぞ！
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出口に滑る液体を塗っとくとか、おやつにカラシを
塗っとくとか、なんでもいいからやってやる！
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あら、いいじゃない。楽しそうね。
私も、手伝いましょうか？
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えっ！？　いや、それは……。
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カラシって、ツンとするやつね？
もし私の能力で純化したら……
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ふふふ。元とはいえ、月の賢者さんが痛い目を
見るところなんて……想像するだけで愉快だわ。
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ふふふ、ふふふふ……。
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た、頼むから、
月のいざこざに私を巻き込まないでくれ～！
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SKIP_POS,
FADE_OUT,500,
STOP_BGM,
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END,