-------------- 聖輦船 -------------- 依神 女苑: ……ったく。疫病神が、カモ絞って何が悪いの? ちゃんと相手も選んでるじゃない! 聖 白蓮: 誰だろうと、盗みはいけません。貴方も 本心では、こんな生活望んでないのでしょう? 依神 女苑: うる……っさいなあ! 知ったかぶんないでよ! そーいうの、ほんっとウザい! 依神 女苑: あんたに私の何がわかんの? 家族でも、 なんでもないクセに……。もう、ほっといて!! 依神 女苑: なっ、何よ、その目はぁ……! だってホントのことじゃ…… 聖 白蓮: いいわ。 なら、勝負しましょう。 聖 白蓮: 私が勝ったら、修行再開。 貴方が勝ったら、もう二度と干渉しない。 聖 白蓮: 勝負の方法は……そうね、レースなんてどうかしら? 妖怪の山の頂上に、先に着いた方が勝ち。 依神 女苑: へっ? や……やってやろうじゃない! 吠え面かかせてやるわよっ! -------------- 妖怪の山 レース当日 -------------- 依神 女苑: 河童に大金積んで、デコトラ用意してやったわ! これで勝てば、私は自由よ! あははー! 聖 白蓮: お待たせしました。 依神 女苑: ちょっと、来るの遅い~……って バ、バイク!? 意外すぎるんだけど……! 聖 白蓮: 以前に少しね。さあ、レースを始めましょう。 今日も100キロ、出してしまうわよー! 依神 女苑: ……さすが河童製のデコトラね。 このまま、ぶっちぎりで勝っちゃうかも。 聖 白蓮: 以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故……。 依神 女苑: ふ……ふん! これで、二度と説教されないし? やっかいババアから解放されて万々歳じゃない! 聖 白蓮: 得阿耨多羅三藐三菩提、故知般若波羅蜜多……! 依神 女苑: そうよ。ほんと、清々する……ってか さっきから、この声なにっ? 依神 女苑: え、なになになになに? ちょ……、なんか迫ってくる!? 聖 白蓮: 羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦 菩提薩婆訶ァァ……! ッカーーーー!! 依神 女苑: ぬ、抜かれ……ぬああーーっ!! 依神 女苑: あんなの、ゼッタイ勝てないじゃん! なに、あの読経ターボモード!? 聖 白蓮: ふふ。約束通り、修行再開ですよ。 さあ、女苑。うちに帰りましょう。 -------------- 聖輦船 -------------- 依神 女苑: んあ~~~! もう、やってらんない! 修行修行って……なんで毎回掃除なのよっ! 聖 白蓮: はいはい。ちゃんと、やってくださいね。 終わったら、お茶にしますから。 依神 女苑: はあ~っ、メンドくさ。 ……ま、たまには悪くないか。