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人間の里
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依神 女苑:
あーあ……。姉さんってば、
またサイフ落としたわけ? ドジねえ。
依神 紫苑:
うう~っ。
もうポッケに残った小銭しかないわ……。
依神 女苑:
お、富くじやってるじゃん。あれなら、姉さんでも
億万長者になれるかも? なーんちゃって……。
依神 女苑:
……って、ホントにやる気ー!?
やめときなって。結果見えてるじゃない。
依神 紫苑:
当たる……いや、当てる……!
この最後の小銭に、すべてを賭ける……っ!
依神 紫苑:
ぜ、全ッ部ハズレた……。
依神 女苑:
だから言ったじゃん。というか、残りわずかな
全財産使ってハズすとか、さすがって感じ。
依神 紫苑:
じょ、女苑……。お願い、お金貸して!
あと1回、あと1回だけだから!
依神 女苑:
はあー!? ったく、しょーがないな……。
依神 女苑:
ちょっと、何回やるつもりー!?
もう帰ろ? どーせ当たんないって。
依神 紫苑:
どーせね。そうだよね。私……私なんて……
一生不幸で極貧で、一生最悪な人生だよね……。
依神 女苑:
もお~、いじけないでよ。メンドくさ……あっ!
ちょっと、そこで待ってて!
依神 女苑:
お・待・た・せ~♪
さ、ラストもう1回チャレンジよ!
依神 紫苑:
いい……。どーせ当たんないし……。
私なんて……どーせ、ずーっと不幸だし……。
依神 女苑:
いいから、さっさとやれ!
富くじ屋:
おおっ! 6等賞、当たりーッ!!
姉ちゃん、よかったなぁ。ほら、賞金だよ!
依神 紫苑:
え…………? ウソ……ウソ……。
当たった? 当たったの!?
依神 女苑:
ふーん? 当たってよかったじゃん。
ま、一番安い賞だけど!
依神 紫苑:
うっ、うれしい……!
東風谷 早苗:
なるほどね。疫病神が、私に頼みごとなんて、
めずらしいと思ったら……。
東風谷 早苗:
貧乏神に、富くじが当たるように……ですか?
依神 女苑:
そう、あんたの奇跡を起こす能力でね。
1回だけでいいからさ!
東風谷 早苗:
ふふ。今日のお二人は、幻想郷で一番、
最幸最上な姉妹ですね。
依神 女苑:
さ、賞金で駄菓子でも買うかー。
駄菓子なら、10個くらいいけるでしょ。
依神 紫苑:
ダ、ダメダメ! はじめて当たったのよ?
これは、お守りにするの~。
依神 女苑:
はあー? 金は使うもんでしょ?
こーいうときは、パーっと散財すんのよ!