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紅魔館
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依神 紫苑:
わぁー、立派な建物。ここにはきっと、
美味しい食べ物がたくさんあるんだろうなあ。
レミリア・スカーレット:
あーあ、妖精で遊ぶのも飽きちゃったわね。
ん? なに? あの、みすぼらしいやつ。
レミリア・スカーレット:
ただでさえ暇でイライラしてるのに……。
美鈴に言って、敷地から追い出しましょう。
十六夜 咲夜:
それも良いですが、ここは一つ、あの貧乏神で
暇つぶしを考えるのはいかがでしょうか?
十六夜 咲夜:
例えば……貧相な身なりですが、手入れをすれば、
着せ替え人形くらいにはなりそうですよ?
レミリア・スカーレット:
なるほどねぇ……。
ちょっと面白そうじゃない。
レミリア・スカーレット:
ねぇ、あなた。うちの屋敷に入ってみない?
協力してほしいことがあるの。
依神 紫苑:
えっ、いきなり何……? って、ああっ、
なんで服を脱がせようと!?
依神 紫苑:
つ、疲れた……。私いま、どんな格好なんだろ。
あぁ、あっちに鏡があるわね。
レミリア・スカーレット:
なんなのアイツの髪……! 梳かすだけで、
櫛が次々に折れていったんだけど!?
十六夜 咲夜:
ドレスも何着かダメになりましたね。
貧乏神の力を舐めてたわ……。
依神 紫苑:
えぇーっ!? こ、これが私……?
すごい。なんだか、私じゃないみたい。
レミリア・スカーレット:
まあ、手間はかかったけど、
鑑賞に堪える見た目になったじゃない。
レミリア・スカーレット:
喉が渇いたわね。咲夜、茶会の準備を。
ああ、あなたも同席していいわよ。
依神 紫苑:
食べ物まで、もらえるの!?
すごい、ここは天国なのかしら……!
依神 紫苑 :
……あれ? なんか足元に紐が落ちてる。
なんだろう、これ?
レミリア・スカーレット:
そ、その紐は防犯用トラップの……!
あーあ、作動しちゃった。
十六夜 咲夜:
対妖怪も視野に入れた、高威力の物ですからね。
あの貧乏神も無事では……え?
依神 紫苑:
あ、あれ? ぜんぶ避けれちゃった……?
いつもなら私、ぜったい引っかかるのに……。
レミリア・スカーレット:
もしかすると、私が関わったせいかしら?
なるほどね。感謝しなさい。
十六夜 咲夜:
ああ、お嬢様は、運命を操る能力を
お持ちですから……。
依神 紫苑:
へぇ……。つまり、貴方のそばにいれば、
私の不運な運命も変わるのかあ。
レミリア・スカーレット:
言っとくけど、紅魔館の住み込みメイドとか、
そういう申し出は断るからね。
レミリア・スカーレット:
トラブルが起こるばっかりじゃ、
どうせ、すぐに飽きてしまうもの。
依神 紫苑:
そ、そんな~! ここにいれば
毎日ご飯が食べられると思ったのに~!