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人間の里
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依神 紫苑:
守矢神社のお祭り、楽しかったですね!
天人様の豪遊っぷり、惚れ惚れしちゃいますぅ♪
比那名居 天子:
はは、あれも天界様式というやつだ。
何事も気風よく派手なのが、天界流だからな!
依神 紫苑:
やっぱり、天界ってすごいですねぇ。前から
気になってたんですが、どんな場所なんですか?
比那名居 天子:
ふふん。天界とは、天人の住む異界の桃源郷。
あそこには、貧しさも争いもない。
比那名居 天子:
歌って踊って、呑んで遊んで……、危険もなく、
豊かに暮らしていればいいだけの場所さ。
依神 紫苑:
わあっ。天界では、私もひもじくないのかしら?
もっともっと、聞かせてください~!
比那名居 天子:
ええと、そうだなー。全身が七色に光る
踊り子たちが、いつも芸をしていて……。
比那名居 天子:
ご飯はなんでも食べ放題。願えば木から
フルコースが生えてくる……という感じかな!
依神 紫苑:
すごいわっ、おとぎ話みたい! 天人様の
言葉じゃなかったら、信じられないくらい!
比那名居 天子:
(まあ、いまテキトーに考えたんだけどね。
光る踊り子なんて、私も見てみたいわ)
依神 紫苑:
でも、そんな素敵な所、
どうして出てきちゃったんですか?
比那名居 天子:
ああ、それは簡単だよ。
つまりだな、……ん?
東風谷 早苗:
はぁ、はぁ……、やっと追いついた……!
貴方たち、どうしてくれるんですかー!
依神 紫苑:
守矢の巫女さん……? どうしたの?
あ、さっきのお祭り、楽しかったわよ!
東風谷 早苗:
それです! 天人様の豪遊のせいで景品は
切れるわ、貧乏神のせいで苦情は殺到するわ……
東風谷 早苗:
もう無茶苦茶! あちこちでこんなことして、
許されませんよ! お仕置きが必要です!
比那名居 天子:
おっ、私とやる気か? なあ、これだよ紫苑!
私が天界を出た理由、百聞は一見に如かずだな!
比那名居 天子:
ここの方が波乱が多くて、楽しいからだ!
この緋想の剣も、振るいがいがあるというもの!
依神 紫苑:
まあ! 地上が退屈じゃないから、
私は天人様と出会えたんですね! 素敵だわぁ♪
東風谷 早苗:
もうこの、はた迷惑コンビ!
いいから反省しなさい! 喰らえ~!
比那名居 天子:
あはっ、やっぱり地上はいい。
一緒に遊べる面白い奴も、たくさんいるしね!