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博麗神社
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依神 紫苑:
神社に来るのも、ちょっと久しぶりねぇ。
たまには、ここで暇をつぶすのも……。
高麗野 あうん:
あっ、入っちゃダメですー!
ごめんなさい、霊夢さんに言いつけられてて。
高麗野 あうん:
お祭りの準備中だから、
今だけは貧乏神を敷地に入れるなって。
依神 紫苑:
うぅ……そうよね。私なんかがここに入ると、
それだけで台無しになっちゃうだろうし……。
依神 紫苑:
仕方ない。帰るとしましょ。
……あら? あんな所に、ちょうちょがいるわ。
高麗野 あうん:
あ、ほんとですね!
ひらひらで綺麗だな~。
依神 紫苑:
追いかけて、きょろきょろしちゃって。
狛犬にも、犬の習性があるのかなぁ……?
依神 紫苑:
そうだ。中に入れてくれないなら、
せめて退屈しのぎに付き合ってよ。
高麗野 あうん:
いいですよ! その代わり、
敷地には絶対入らないでくださいね!
依神 紫苑:
やった。じゃあいくわよ。
……お手っ!
高麗野 あうん:
はいっ!
……って、犬じゃないんですから~!
依神 紫苑:
三回まわってワン!
高麗野 あうん:
い~ち、に~い、さ~ん。わんっ!
……って、もう~!
依神 紫苑:
バーン!
高麗野 あうん:
うっ!
……よよ、無念っ。
依神 紫苑:
なんだかんだで、ノリがいいんだから。
よしよし、いい子いい子。
高麗野 あうん:
もーっ、犬扱いなんて、ひどいです!
あごの下なんか、撫でないでください~!
依神 紫苑:
……とか言ってるけど、気持ちよさそうだね。
もっと、よ~く撫でてあげる。
依神 紫苑:
とっても神社に忠実で、お利口なところも
犬みたい。これ、すっごく褒めてるのよ?
高麗野 あうん:
な、なるほど。それもそうですかね?
ふふん、私は忠実な狛犬……って、あーーー!
依神 紫苑:
ん? 急に大声出して、どうし……あっ。
高麗野 あうん:
い、いつの間にか、敷地に入っちゃってる~!
うわ~ん、霊夢さんに叱られちゃうよ!
依神 紫苑:
あらら、ごめんなさい。
悪いことしちゃったわね……。