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博麗神社
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高麗野 あうん:
おや、菫子さんじゃないですかー。
博麗神社に何かご用でした?
宇佐見 菫子:
レイムっちに見てほしいものがあったんだけど、
今いるのは、わんわんだけか。
宇佐見 菫子:
ま、貴方でもいっか。
ねぇねぇ、ちょっと私の方を見ててよ。
宇佐見 菫子:
この、一見するとタネも仕掛けもない、
ただのマントをこうして……。
高麗野 あうん:
ん? 何するんですか?
マントで身を隠しただけに見えますが……。
宇佐見 菫子:
まぁ、見てなさいって。あ、それいっ!
高麗野 あうん:
うわあ! マントから蝶が、
蝶がたっくさん出てきました。すごいっ!
宇佐見 菫子:
へへへ、こういうの「マジック」って言うのよ。
人をびっくりさせたり、楽しませたりしてね。
宇佐見 菫子:
私の能力なら、こんなこともできるんだから!
……そういえば、貴方の能力ってなんだっけ?
高麗野 あうん:
私のですかー? うーんと、神社とかお寺とか、
信仰を集める神仏を見つける能力、みたいな。
宇佐見 菫子:
……なんていうか、すっごく地味な能力ね。
面白味もないし、役に立つのかしら。
高麗野 あうん:
ムカッ。それは、いくらなんでも言い過ぎ。
面白味もないなんて……。
高麗野 あうん:
あ。そういえば、私にもできそう!
人をびっくりさせる、まじっく、だっけ?
宇佐見 菫子:
ホントにできるの? あうんにマジックなんて。
無理だと思うけどなぁ……。
高麗野 あうん:
ふふん、実はもう始まっちゃってたりして。
菫子さんは気付いていないけど。
高麗野 あうん:
わんっ!
宇佐見 菫子:
うわっ! びっくりした!
……って、え!? あうんが2人?
高麗野 あうん:
えへへ、大成功~! そうなのです。
実は私、もう一つ分身の能力を持っているのです。
高麗野 あうん:
菫子さんがお話ししていたのは、分身の方の私。
すごいでしょ! マジック、できてたでしょ?
宇佐見 菫子:
あうん、すごい! バッチリできてたよ。
タネも仕掛けもない、幻想郷流のマジックね。