--------------
博麗神社
--------------
高麗野 あうん:
ふぁ~。今日も誰も来ない。
このまま平和に一日が終われば……。
レミリア・スカーレット:
お邪魔するわよ。
高麗野 あうん:
わっ! 誰かと思ったら吸血鬼。
ちょっと、そんな堂々とお邪魔しないでよー。
レミリア・スカーレット:
あら? フフフ、威勢のいいワンちゃんね。
ウチの門番より、やる気がありそうだわ。
レミリア・スカーレット:
ねぇ、あなた。私のペットにならない?
館の番犬にしてあげてもいいのよ。
高麗野 あうん:
ペットって……。あのねぇ、私は狛犬で、
神様のいる神域を守ることが仕事なの。
高麗野 あうん:
神様でもなければ、信仰も集めていない
吸血鬼の番犬なんて、ぜーったいやらないから。
レミリア・スカーレット:
なるほど。なら、私のことを神様だと思えば、
やる気が出るんじゃないかしら?
高麗野 あうん:
……は?
レミリア・スカーレット:
神は不老不死でしょ。吸血鬼の私もほぼ不老不死。
つまり、神と私は、ほぼ同じってわけ。
レミリア・スカーレット:
それに私には、多くの召使が仕えているのよ。
これは信仰とは言えないかしら?
高麗野 あうん:
呆れたわー。あまりにも都合がよすぎる。
高麗野 あうん:
その理屈だと、幻想郷の住人ほとんどが、
神様になっちゃうわよ。ちょっとは頭使って?
レミリア・スカーレット:
……なんですって?
高麗野 あうん:
あ。いや、えーと、今のはそのー。
機嫌を損ねちゃったならごめんなさい……!
レミリア・スカーレット:
いやねぇ、あの野蛮な妖怪たちが神になったら、
幻想郷が大変なことになっちゃうじゃない。
高麗野 あうん:
あ、なーんだ。そーいうことか。
たしかにねぇ。そりゃそうだよね。ははは……。
高麗野 あうん:
……アンタにだけは、言われたくないけど。