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魔法の森
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霧雨 魔理沙:
よっ、香霖!
また、例の無縁塚で墓泥棒か?
森近 霖之助:
墓泥棒とは失敬な。
僕は、落ちていた物を拾っただけだよ。
霧雨 魔理沙:
何でもいいけど、結構拾ったみたいだな。
で、なんか面白いモンはあったのか?
森近 霖之助:
ああ、魔理沙にうってつけの物を拾ったよ。
この「パンドラの箱」さ。
霧雨 魔理沙:
ぱんどら? ……知らないな?
ただの汚い箱にしか見えないけど。
森近 霖之助:
それが、ただの箱じゃないんだよ。これには、
ありとあらゆる災いが詰まっているんだ。
森近 霖之助:
その昔、神々によって創られた、
絶対に開いてはいけないとされる箱なのさ。
森近 霖之助:
もしも開いてしまえば、疫病や負の感情が
瞬く間に幻想郷中に溢れ出すだろう……。
霧雨 魔理沙:
ふ~ん。そんなすごい物には見えないけどな。
霧雨 魔理沙:
本当に災いが出てくるか、確かめてやるよ。
早速、開けてみるぜ。よっと。
霧雨 魔理沙:
わわっ!? びっくりした!
霧雨 魔理沙:
な、なんだ?
何が出てきたのかと思ったら、人形……か?
森近 霖之助:
やっぱり開けたな、魔理沙!
それはパンドラの箱じゃない。ビックリ箱さ。
森近 霖之助:
魔理沙なら、すぐに開けると思ってね。
まさか、こんなに上手くいくなんて。
霧雨 魔理沙:
……しょうもないな。ほいっと。
森近 霖之助:
ああっ! こっちに箱を投げるな!
って、わああーっ!!
森近 霖之助:
せ、せっかく拾ったツボが!
なんてことを、気に入ってたんだぞ!
霧雨 魔理沙:
ははは! 見事に割れたな!
ま、これで、おあいこってことで。
霧雨 魔理沙:
いい暇つぶしになったぜ。またな、香霖!
森近 霖之助:
ただのイタズラのつもりだったのに、
高い代償がついちゃったなぁ……。