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博麗神社
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森近 霖之助:
まったく、霊夢のやつ。
店から勝手にストーブを持ち出すなんて……。
博麗 霊夢:
あら、霖之助さんじゃない。
珍しいわね。何か用?
森近 霖之助:
何か用って……。わかってるんじゃないか?
持ち出された品物を、返してもらいに来たんだ。
博麗 霊夢:
えっ、そ、それって……。
博麗 霊夢:
な、なんのことかしら?
言ってる意味が、わからないんだけど。
森近 霖之助:
(この怪しい態度……。
霊夢のやつ、さては壊したな)
森近 霖之助:
わざわざ、隠さなくたっていいよ。
こっちでなんとかするから、早く返してくれ。
博麗 霊夢:
それが、その……実は、水瓶に落としちゃって、
もう手遅れだと思うわ。
森近 霖之助:
ん? 水瓶に落とした?
あんな大きなストーブを、どうやって……。
博麗 霊夢:
えっ、ストーブ? 外来本のことじゃないの?
森近 霖之助:
外来本?
僕は、ストーブのことを言ってるんだけど?
博麗 霊夢:
ストーブなんか持っていかないわよ。
やるとしたら、魔理沙でしょうね。
森近 霖之助:
なんだ、魔理沙の方か……。
ところで、霊夢が言ってた外来本って?
博麗 霊夢:
え、ええっと、それなんだけど、実は……。
森近 霖之助:
あっ、この本!
ずっと失くしたと思ってたのに……。
博麗 霊夢:
香霖堂に行ったとき、うっかり水瓶にね。
霖之助さんはいなかったし、つい勢いで……。
森近 霖之助:
持ち帰ったっていうのか……?
この本、気に入ってたんだけどなぁ。
博麗 霊夢:
わ、わざとじゃなかったのよ!
ただ、ついうっかり肘がぶつかっちゃって……。
森近 霖之助:
はぁ。魔理沙は勝手にストーブを持っていくし、
香霖堂は、行方知れずにされたものが多すぎる……。