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地霊殿
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庭渡 久侘歌:
地獄の収益拡大の案を出せなんて……。
弱りました。商いなんて、全然わからない。
庭渡 久侘歌:
せめて、ここで何か
ヒントを掴めればいいのだけど……。
古明地 さとり:
お待たせしました。古明地観光の代表、
古明地さとりです。あなたが地獄の門番の……。
庭渡 久侘歌:
ええ。庭渡久侘歌と申します。今日は
相談に乗っていただき、ありがとうございます。
古明地 さとり:
いいえ、大丈夫です。今の地獄も、
予算にはかなり苦労されているようですね。
庭渡 久侘歌:
ええ。私のような商売の素人にまで、
こんな話が来るほどですから。それで……。
古明地 さとり:
はい。収益拡大の件なら、一つ提案があります。
庭渡 久侘歌:
えっ、あるんですか!? それは、どんな?
古明地 さとり:
実は、新しい観光施設として、旧地獄に
ニワトリカフェを作ろうと思っています。
古明地 さとり:
その管理を、あなたにお任せしたいのです。
売上の一部を、地獄の財源にしていただければ。
庭渡 久侘歌:
それは、非常にありがたい申し出ですが、
本当によろしいのですか?
古明地 さとり:
こちらとしても、人手が足りない状態でして。
受けてもらえるなら、最高の条件を出しますよ。
古明地 さとり:
あなたをニワトリの神様と見込んでのお話です。
どうでしょう。引き受けてはいただけませんか?
庭渡 久侘歌:
わかりました。それでは、
これからよろしくお願いします!
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後日
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庭渡 久侘歌:
結構忙しい……。でも、お店は繁盛してるし、
ニワトリも人気になるし、大成功だわ!
庭渡 久侘歌:
やっぱり、さとりさんに相談したのは正解ね。
さ、まだまだカフェのお仕事、頑張らないと!
古明地 さとり:
さすが、ニワトリの神様。
ニワトリたちも、過ごしやすそうね。
古明地 さとり:
人手不足で、ペットのお世話が
大変だったから助かったわ。それに……
古明地 さとり:
新しい観光施設の管理もやってもらえるなんて、
まさに一挙両得。いえ、一鳥両得ね。