-------------- 妖怪の山 -------------- 庭渡 久侘歌: 今日は、いい天気ね。絶好のお散歩日和だわ。 あなたも、そう思わない? ヒヨコ: ピ! 古明地 こいし: うわあ! すっごい可愛い! 庭渡 久侘歌: きゃあ!? び、びっくりした。 いきなり、なんですか? 古明地 こいし: 可愛いね。その頭のヒヨコさん。 庭渡 久侘歌: ああ、この子ですか? ええ、可愛いでしょう? 黄色くて、ふわふわで。 ヒヨコ: ピ? 古明地 こいし: ねえ、その子、ペットにしたい! 私に飼わせて! 庭渡 久侘歌: ええ? そんな急に……。 動物を飼うって、大変なんですよ? 古明地 こいし: 大丈夫! うち、いっぱいペットいるし! 古明地 こいし: 部屋も余ってるから、ヒヨコさんのための 専用の巣とか、遊ぶためのスペースも作れるよ! 庭渡 久侘歌: あら、ちゃんと環境はあるのですね。 むしろ、それなら立派なくらい……。 ヒヨコ: ピ……! 庭渡 久侘歌: あなたも気になってきたの? ちなみに、おうちにいるペットは、どんな子? 古明地 こいし: えーっとねー、大体地獄にいる子なんだよ。 死体好きだったり、なんかすごい核熱の子とか! 庭渡 久侘歌: ええ!? そ、それは危険なのでは? 古明地 こいし: 大丈夫だよ。みんないい子だもん。あ、あとね、 さっき、この山で友達になった子もいるよ! オオカミ: グルルル……! 庭渡 久侘歌: ひっ、オオカミ!? こっち睨んでますよ!? 歯もむき出しで唸ってます! 古明地 こいし: ね? これだけペットがいるなら、安心でしょ? オオカミ: ガウウ……! ヒヨコ: ピ……。 庭渡 久侘歌: こ、この子は……そう! 大事な家族なんです! ね? そうよね? ヒヨコ: ピ! ピ! 庭渡 久侘歌: そうよね! 私も一緒にいたいわ! な、なので、申し訳ありませんが……。 古明地 こいし: そっかー。大事な家族なら、しょうがないね。 また別の子を探そうか。じゃあねー。 オオカミ: ウウウ……! 庭渡 久侘歌: さ、さすがにあれは、身の危険を感じますね……。 ヒヨコ: ピ……。