-------------- 命蓮寺 -------------- 杖刀偶 磨弓: あ、いたいた。そこの貴方! もしよかったら、埴輪兵団に入らない? 杖刀偶 磨弓: 敵の機密を探り出す、スパイがほしいのよ……。 貴方の能力を、兵団で活かしてくれない? ナズーリン: 得体のしれない埴輪の部下なんて、イヤだよ。 毘沙門天様の方が、ずっと権威があるからね 杖刀偶 磨弓: そう……。明るく楽しい兵団なのに、残念ね。 貴方のために、超高待遇も用意したのに……。 ナズーリン: 超高待遇か……? 話だけなら、聞いてやってもいいよ。 杖刀偶 磨弓: あら! 興味を持ってくれて、嬉しいわ。 いろいろあるから、よく聞いて! 杖刀偶 磨弓: まず、貴方のために豪邸を用意した。 とってもおしゃれな、袿姫様によるデザイナーズ物件だ! 杖刀偶 磨弓: それに、美味しいご馳走も用意してある。 特製チーズもあるから、たくさん食べてほしい! ナズーリン: へぇ……なかなか豪華じゃないか。 でも、その程度じゃ、私は釣られないよ。 杖刀偶 磨弓: もちろん、これだけじゃないわ。貴方が 見たこともないような、お宝も用意したの! 杖刀偶 磨弓: 金や銀なんかよりも、ずっと価値があるんだ。 一目見れば、あまりの尊さに絶句するはず! ナズーリン: ドキドキ……。そ、そこまで言うんだったら、 体験入団してあげようかな~。 杖刀偶 磨弓: それはありがたい! では、ついてきて! 杖刀偶 磨弓: さあ、ついたわ。 これが、貴方のために用意した豪邸よ! ナズーリン: え……何これ? 全部まっ茶色なんですけど……。 ナズーリン: もしかして、これは埴輪のお家? ダサくてショボいなー。これのどこが豪邸なの! 杖刀偶 磨弓: 無駄のない、洗練されたデザインなのに……。 でも、ご馳走は気に入るはず。チーズをどうぞ! ナズーリン: はむはむ……ぐぇっ! 固くて歯が欠けちゃう! これも埴輪じゃん! なんてもん食わすんだ! ナズーリン: これのどこが高待遇よ。思ってたのと全然違う! ……そうだ! すごいお宝は!? 早く見せて! 杖刀偶 磨弓: それなら、この金庫の中よ。 さあ、今から開けるわ! ナズーリン: うわぉ! 金庫の中から、まばゆい輝きが~♪ ……見えてこないねぇ。 杖刀偶 磨弓: 驚きなさい! これはね、セラミックスのインゴットよ! 杖刀偶 磨弓: 袿姫様はこれを素材に、森羅万象を生み出すの! 金銀なんかより、ずっと価値のある宝物よ! ナズーリン: 私にとっては、ただのゴミー! 杖刀偶 磨弓: さて、埴輪兵団の一員として特訓を始めるわ! まずは、100キロ走ってきなさい! ナズーリン: こんなヒドイ兵団、やってられるかー! 私、もう帰る! 杖刀偶 磨弓: あっ、コラ! 待ちなさい! 杖刀偶 磨弓: ……こんな良い待遇なのに、逃げ出すなんて! 生身の奴は、軟弱者ばかりだわ!