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霧の湖
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杖刀偶 磨弓:
うーん……。戦で勝つためには、どうすれば
いいのかしら? いい策が思いつかないわ……。
ルーミア:
あっ、埴輪がフラフラ歩いてる!
イタズラしちゃお!
杖刀偶 磨弓:
な、なに!? 急に暗くなったわ……。
ルーミア:
今だ! ていっ!
ルーミア:
きゃっ! いたーい!
杖刀偶 磨弓:
惜しかったわね。暗闇で姿を隠していても、
貴方の気配は丸見えよ。
ルーミア:
とほほ……。埴輪に負けるなんて……。
杖刀偶 磨弓:
でも、敵の目を欺こうとしたのは、
見事な作戦だった。貴方、軍師の才能があるかも!
ルーミア:
グンシ……? よくわかんないけど、
褒められてるのかなー。ちょっと嬉しい!
杖刀偶 磨弓:
貴方なら、なにかいい方法を知ってるかもね……。
ねえ、勝つのに必要なことって、なんだと思う?
ルーミア:
(カツ? トンカツのことかな……?)
ルーミア:
カツに必要なのは、油に決まってるじゃない。
油がなかったら、サクッとならないもの!
杖刀偶 磨弓:
油がなかったら、策とならない?
いったい、どういうことかしら……。
ルーミア:
なんで、こんな簡単なことがわからないの?
埴輪はおバカさんなのかしら。
杖刀偶 磨弓:
……あ、わかった! 「油」って、
組織の潤滑油のことだったのね!
杖刀偶 磨弓:
統制のとれた組織じゃなかったら、
どんな策を考えたとしても、実行できない!
杖刀偶 磨弓:
まずは指揮官が、組織の潤滑油にならないと!
大切なことを教えてくれて、ありがとう!
ルーミア:
えっへん!
これくらいのこと、どうってことないよ!
ルーミア:
また悩み事があったら、私のとこに来ていいよ。
カツのことなら、なんでも教えてあげる!
杖刀偶 磨弓:
はい! 勉強させてもらいます!