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白玉楼・庭
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埴安神 袿姫:
急にお邪魔して、ごめんなさい。
それにしても……ステキなお屋敷ねぇ。
西行寺 幽々子:
それは光栄ね。
ゆっくりしていくといいわ。
埴安神 袿姫:
屋敷の周りは、どうなってるのかしら……。
ね、よかったら、冥界も案内してくれない?
西行寺 幽々子:
構わないわよ。
それじゃ、行きましょうか?
西行寺 幽々子:
これは、西行妖。うちの妖怪桜。
花見の名所みたいになってるわね。
埴安神 袿姫:
うわあ~、すごく綺麗ね!
……景観は良し、と。
西行寺 幽々子:
これは、幽明結界。現世と冥界の境ね。
今は結界が曖昧だし、いつでも行き来できるの。
埴安神 袿姫:
ふむ……交通の便も良し。
西行寺 幽々子:
何か言った?
埴安神 袿姫:
はは、いやいや……。
それで、お次は?
西行寺 幽々子:
……で、改めて、ここが白玉楼。
西行寺家のお屋敷よ。今は私が、ここの主なの。
西行寺 幽々子:
ちなみに、近辺の警護は妖夢がやってるわ。
まあ、こんなとこかしらね~。
埴安神 袿姫:
領主もしっかりしてて、治安も良好……。
やはり、ここが1位……。
博麗 霊夢:
あんた、ここにいたのねーっ!?
博麗 霊夢:
幻想郷にバラまいた人間霊どもを
なんとかしなさいよ!
西行寺 幽々子:
……バラまいた、って?
埴安神 袿姫:
バラまいただなんて、人聞きが悪いわ。
私はただ探していただけよ……人間霊の移住先をね。
埴安神 袿姫:
で、良さそうな土地には、お試しで人間霊を放ってみたの。
実際に暮らしてみてわかることも、あるでしょう?
西行寺 幽々子:
なんて迷惑な話……。
埴安神 袿姫:
でも……今日案内してもらって思ったわ。
やっぱり冥界が一番住みやすそうだって!
埴安神 袿姫:
すでに放った人間霊たちも
楽しんでるんじゃないかしら?
魂魄 妖夢:
ゆ、幽々子さま、ヤバイですッ!
冥界の各地で、人間霊が暴れまわってて……!
埴安神 袿姫:
このまま何人か
置いてっちゃっていい?
西行寺 幽々子:
まあ……、さすがは邪神様ね。
どこまで身勝手であらせられるのかしら。
西行寺 幽々子:
全員、今すぐ、連れて帰ってちょうだい。