-------------- 妖怪の山 -------------- 犬走 椛： はあぁ～。 暇すぎて、やる気がでないわぁー……。 飯綱丸 龍： それは、仕事がつまらないってことか？ 犬走 椛： うひゃあ！？　い、飯綱丸様！？ い、いえいえいえ、そんな、滅相もありません！ 飯綱丸 龍： そう慌てなくていい。 何か悩みがあるなら、相談に乗ろう。 犬走 椛： え、ええと……では……。 見回りのお仕事がですね、その、単調で……。 飯綱丸 龍： なるほど。同じことの繰り返しで、つらいと。 刺激がないとつまらない気持ち、わかるよ。 飯綱丸 龍： だが、天狗社会の安定は、お前たち白狼天狗の 日頃の頑張りのおかげで成立しているんだ。 飯綱丸 龍： たとえ単調だとしても、お前たちの厳格な目によって、 山の安全が今もずっと保たれている。それを忘れるな。 犬走 椛： い、飯綱丸様……！ 犬走 椛： 気をつかわせてしまって、申し訳ありません！ 私、めげずに頑張ります！ 飯綱丸 龍： うん、その意気だ。 ……む。話をすれば、なんとやらね。 飯綱丸 龍： 私が、直々に命令を下そう！ 行け！　あそこの侵入者を排除してこい！ 犬走 椛： 承知しました！　ひさしぶりの大仕事です！ そこの者、待ちなさーい！ 飯綱丸 龍： よかった。なんとか やる気を取り戻してくれたみたいね。 飯綱丸 龍： しかし、あれほどやる気をなくしている 白狼天狗も居るとは。 飯綱丸 龍： モチベの低下は周囲に影響を及ぼす、 不満が出ない働き方改革をしないと……。 犬走 椛： 飯綱丸様！　命令通り、 侵入者を排除してきました！ 飯綱丸 龍： はい。排除のスピードを評価して、 椛に、天狗ポイント３点追加、と。 犬走 椛： ……え？　天狗ポイント？ ってなんですか？ 飯綱丸 龍： 今日から、仕事の出来でポイントを付与しよう。 貯まったら、好きなモノと交換だ。 犬走 椛： そんな、いいんですか！？ た、たとえば、将棋盤とか……？ 飯綱丸 龍： ええ、大丈夫。 犬走 椛： ……私、バンバン働きます！ 天狗ポイント、たくさん集めなきゃ！ 飯綱丸 龍： ふふ、素直でいいな。 さあ明日からも、山の見回り、頼んだよ！