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『風雲!紅魔城』 閉会式
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河城 にとり:
さて、『風雲!紅魔城』公開テストプレイも
無事に……、無事に? 終わりましたね!
博麗 霊夢:
最後の戦いのせいで、あちこち
ちょっとボロボロだけどね……。
河城 にとり:
結果としましては、見事、挑戦者チームが
勝利を収めました。皆さん、彼女たちに拍手を!
河城 にとり:
それでは、MVPの表彰に移ります。
今回のMVPは、間違いなくこの方でしょう!
河城 にとり:
ただ一人、すべてのステージをクリアした
勇猛なる挑戦者……、十六夜咲夜!
パチュリー・ノーレッジ:
おめでとう。あんなに軽々クリアされるとは
思ってなかったわ。見事だったわよ。
レミリア・スカーレット:
最後の一投は、本当に驚かせてもらったわ。
おめでとう、咲夜。
十六夜 咲夜:
お二人とも……。ありがとうございます。
たいへん楽しませていただきました。
河城 にとり:
さあ、これにて、すべてのプログラム終了です。
ところで、製作者のお二人に聞きたいのですが。
レミリア・スカーレット:
なにかしら?
河城 にとり:
今回の『風雲!紅魔城』は、途中で、
かなりイレギュラーな改造がなされましたよね。
河城 にとり:
そうなると気になってくるのが、次回のことです。
また同じように改造が入るのでしょうか?
パチュリー・ノーレッジ:
次回、ねぇ……。
レミリア・スカーレット:
うーん。次回か……。
次は……、ないかもしれないわねぇ。
河城 にとり:
ええっ、ないの!?
レミリア・スカーレット:
実はね、この『風雲!紅魔城』は、
咲夜に遊んでもらうためだけのものだったの。
十六夜 咲夜:
……え?
パチュリー・ノーレッジ:
最初は、紅魔館に来るやつらを追い返すための
トラップを作っていたのだけどね。
レミリア・スカーレット:
でも、だんだん方向性が変わっていったのよ。
そうよね、フラン?
フランドール・スカーレット:
ええ。来客を減らすよりも、咲夜のために
何かしたらいいんじゃないかと思ったの。
フランドール・スカーレット:
最近、忙しくて疲れてる様子だったから。
息抜きになるようなものが作れたらって。
十六夜 咲夜:
そう、だったのですか……。
レミリア・スカーレット:
ねえ、咲夜。楽しかった?
十六夜 咲夜:
お嬢さま、パチュリー様、フラン様……。
十六夜 咲夜:
……はい。とっても、楽しかったです。
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数日後
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霧雨 魔理沙:
なんか、ここに遊びに来るやつらも、
結構減ったなー。
十六夜 咲夜:
そうね。たぶん、
この間の『風雲!紅魔城』の影響だと思うわ。
博麗 霊夢:
あれの? なんで?
十六夜 咲夜:
今まで紅魔館に来ていた客のほとんどが、
あの時、裏方として協力していたそうなのよ。
十六夜 咲夜:
準備期間も含めて結構長い間ここにいたから、
しばらくは、遊びに来なくてもいいんですって。
霧雨 魔理沙:
なるほど。そりゃ何日も入り浸ったら、
さすがに満足するわな。
博麗 霊夢:
そういえば、ここってもう紅魔城じゃないのね。
解体しちゃったの?
十六夜 咲夜:
ええ。さすがに、あの状態では
毎日のお掃除も大変だから戻したわ。
十六夜 咲夜:
でも、全部なくすのはもったいないから、
一部を縮小して、空き部屋に移したの。
十六夜 咲夜:
今は、そこをアトラクションルームとして
開放しているわ。それ目当ての来客も多いのよ。
博麗 霊夢:
へえ……。アトラクションルーム……。
いいわね、人気が出そうで。うちでも……。
霧雨 魔理沙:
やめとけよ、霊夢。
神社でやるようなもんじゃないぜ。
十六夜 咲夜:
よかったら、二人も後で遊んでいってね。
……そういえば、今日はなんの用で来たの?
霧雨 魔理沙:
ああ、『風雲!紅魔城』のことでな。
報酬をもらいに来たんだよ。
霧雨 魔理沙:
クリアできたら豪華報酬! 同じチームなんだし、
私たちにも、もらう権利があるはずだろ?
博麗 霊夢:
私の報酬は、お賽銭をたくさん入れてくれれば
いいわよ。あと、次の宴会の準備もお願い。
霧雨 魔理沙:
私は、お宝が欲しいぜ。
高級な舶来品とか、珍しい魔導書とかさ!
十六夜 咲夜:
ああ……。悪いけど、報酬は決まっているの。
はい、これ。
霧雨 魔理沙:
これ……って、なんだこの紙っきれ?
博麗 霊夢:
ええと、なになに……。
紅魔館アトラクションルーム……優先招待券!?
十六夜 咲夜:
500年間有効よ。
期間中なら、いつでも優先入場できるわ。
博麗 霊夢:
そ、そんなこと言われても……。
はぁぁ、こんなのってないわよ……。
霧雨 魔理沙:
私の舶来品……魔導書……。
せっかく色々もらおうと思ったのに……。
十六夜 咲夜:
まあまあ。一度くらいは遊んでいってよ。
これはこれで、なかなか面白かったから。
十六夜 咲夜:
それに、ほら……。
たまには、息抜きだって必要ですからね♪