-------------- 冥界プール -------------- 村紗 水蜜： うふふふふ……。ああ、船を沈めるのは なんて気持ちがいいのかしら！ 河城 にとり： あいつ、完全に舟幽霊として暴れてるな……。 プールが全部、荒れ狂う海みたいになってるぞ。 河城 にとり： 客はみんな沈められちゃうし、なんか幽霊も いっぱい集まってるし、もうめちゃくちゃだー！ 西行寺 幽々子： 幽霊だけでもなんとかしたいんだけど、なぜだか 私の言うことを全然聞いてくれないのよねぇ。 河城 にとり： え、なんで！？　あんた冥界の管理者だろ！？ 西行寺 幽々子： プールの雰囲気に呑まれちゃったのかしら。 私の声も届かないくらい興奮してるみたいで。 河城 にとり： じゃあ、どうするんだよ……！？ 聖 白蓮： 皆様、よかったご無事で！ どうやら村紗は 舟幽霊の本能に呑まれてしまったようですね。 西行寺 幽々子： そのようね。ここは死の気配があふれる水辺。 彼女と幽霊たちには、刺激が強すぎたみたい。 聖 白蓮： 私の見通しが甘かった……。もっと前に、 彼女をここから引き離すべきでした。 聖 白蓮： とにかく今は、プールから出られていない人々を 助けましょう。いざ、南無三――！ 西行寺 幽々子： そうね。責任者として、 お客様はちゃんと帰してあげないと。 村紗 水蜜： ああ、すべての船を沈めてしまった……。 でも、もっと沈めたい。もっと……何もかも！ 河城 にとり： うわ！　あいつ、売店やらアトラクションまで プールに沈めだした！？　そんなことしたら……！ 河城 にとり： あああ、壊れる！　私の冥界プールが、 全部壊れて水没するぅぅ～～っ！？ -------------- 白玉楼 -------------- 古明地 こいし： はぁ、やっと水から出られた……。 他の人たちも、みんな無事みたいだね。 聖 白蓮： ええ。ひとまず、救助は完了ですね。 東風谷 早苗： みんなで白玉楼に避難してきましたけど…… いつまでもここにいるわけには、いきませんよね。 西行寺 幽々子： そうねぇ。冥界プールからは少し離れているし、 しばらくは大丈夫だと思うけど……。 チルノ： まさか、なんでもかんでも水に沈めて、プールを ぶっ壊しちゃうなんて……。あいつ、やるわね！ 河城 にとり： 褒めてる場合か！　どうするんだよ、 売店もプールも、全部なくなっちゃったんだぞ！？ 聖 白蓮： それに、村紗をこのままにはしておけません。 なんとかして止めなくては……。 河城 にとり： なんだなんだ！？　家が傾いてるぞ！？ 聖 白蓮： まさか……、村紗！ -------------- 白玉楼・庭園 -------------- 村紗 水蜜： うふふ……。お庭を沈めるのは、楽しかったわ。 最後はお屋敷。どんな沈み方をするのかしら……！ 東風谷 早苗： うそ！？　辺り一帯、水に沈んでます！ あの舟幽霊、ここまでやるなんて……！ 西行寺 幽々子： どうやら、冥界中に水辺が広がったせいで、 彼女の力が強まってるみたいだわ。 聖 白蓮： やはり、舟幽霊としての本能に 完全に呑まれてしまっているのね……。 西行寺 幽々子： まずいわね……。ここが壊されたら、 冥界の幽霊は幻想郷中に散ってしまう。 西行寺 幽々子： 階段下に妖夢を待機させてるけど、 さばき切れなくなったら異変になりかねないわ。 聖 白蓮： 村紗を止める方法はあります。 ただ、大規模な魔術と法力を使うものでして……。 東風谷 早苗： では、私たちはその間の時間稼ぎをすれば いいのですね！　やってみますとも！ 河城 にとり： せっかくの儲けを、全部パーにされたしな。 プール再開のためにも、協力するさ！ チルノ： 要は、全部凍らせちゃえばいいんでしょ？ そんなの楽勝よ！　てりゃー！ 村紗 水蜜： 邪魔ねえ……。いいわ、全員沈めてあげる！ 深くて暗い、水の底へ！ チルノ： げっ！？　氷が砕かれた！？ 東風谷 早苗： そんな、悪霊退散のお札が効かないなんて！ ダメ、引きずり込まれる……きゃあああっ！ 古明地 こいし： なんでなの？　お仕事が終わったら、 一緒にプールで遊ぼうって言ったのに……！ 村紗 水蜜： ああ、足りない。まだまだ沈め足りない！ もっと、もっと……、うふふふふ……！