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白玉楼
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魂魄 妖夢:
幽々子さまぁ……。
ただいま戻りました。
西行寺 幽々子:
おかえりなさい。
その様子だと、半霊は見つからなかったようね。
魂魄 妖夢:
いえ、見つかったは見つかったのですが……。
魂魄 妖夢:
……という感じで、半霊の私は、
お家に帰りたくないんだそうです。
西行寺 幽々子:
へぇ、家出だったのね。
半霊もかわいいところあるじゃない。
西行寺 幽々子:
それにしても、私も見てみたかったわ~。
妖夢が二人もいるところ。ふふっ。
魂魄 妖夢:
もー、笑いごとじゃないですよー。
西行寺 幽々子:
そんなに思いつめなくても、
気が済んだら帰ってくるわよ。
西行寺 幽々子:
それまでは、一人で……いえ、
半人だけど、お仕事よろしくね。
魂魄 妖夢:
はぁーい……。
魂魄 妖夢:
でも、幽々子様の言う通りね。
半霊がいなくても、頑張らなきゃ!
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次の日
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魂魄 妖夢:
幽々子さま、お茶菓子を用意しましたよ~。
……って、わあああっ!?
魂魄 妖夢:
いたたた……。
ああ、食器を割っちゃった……。
魂魄 妖夢:
この植え込み、けっこう枝が伸びてきたわねー。
ちょっと斬っちゃおうかな。せっ、はぁ!
魂魄 妖夢:
あわわ……、き、斬りすぎちゃった……。
木が丸裸に……。
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夕方
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西行寺 幽々子:
やれやれ、妖夢……。半人だけだと、
仕事も半人前になっちゃうのかしらね。
魂魄 妖夢:
うう、幽々子様、すみません……。
西行寺 幽々子:
そんなことなら、
さっさと半霊を連れ戻していらっしゃい。
魂魄 妖夢:
……え?
西行寺 幽々子:
半霊のことが気になって、
仕事に集中できないんでしょ?
西行寺 幽々子:
なら、さっさと返してもらってきて、
また、いつもの調子でお仕事してちょうだい。
魂魄 妖夢:
は、はい……!
今度こそ、半霊を連れ戻してきます!
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魔法の森
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魂魄 妖夢:
幽々子さまから時間をもらったんだから、
なんとか説得してみせないとね。
魂魄 妖夢:
ん? これって、弾幕の音……。
誰か戦っているの?
霧雨 魔理沙:
く……、ちょこまかと鬱陶しいぜ。
アリスのやつ、変な人形作りやがって。
河城 にとり:
でも、こいつら、なんか変じゃない?
気持ち悪い妖気を感じるんだけど。
魂魄 妖夢:
人形が魔理沙たちを襲ってる!? でも、近くに
人形師さんはいないし……どういうこと?
魂魄 妖夢:
とにかく加勢しないと!
二人とも! 大丈夫?
河城 にとり:
お、助かるよ。数が多くて、キリがなくってさ。
でも、3人いれば、まとめて一気に倒せそうだね!
霧雨 魔理沙:
だな。それじゃ頼むぜ、二人とも!
人形ども、こいつをくらえーっ!
人形の声:
グギギギ……、ギィイイ……。
霧雨 魔理沙:
よし、全部倒したぜ! はぁ、それにしても……、
人形のやつら、気持ち悪い動きだったな。
河城 にとり:
ゆらゆらして、お化けみたいに動いてたね。
もしかして、また動き出したりして……。
魂魄 妖夢:
ちょ、ちょっと、いま調べるとこなんだから、
変なこと言わないでよ……、あら?
幽霊の声:
キシャアアァ……!
妖夢たち:
で、でたー!?
魂魄 妖夢:
……って、あれ? 今のは幽霊?
どうして人形から幽霊が……?
霧雨 魔理沙:
なんにせよ、これで片付いたか。そういや、
妖夢。最近は物を壊していないんだってな?
魂魄 妖夢:
だから、それ、私じゃないんだって。
魂魄 妖夢:
まあいいわ。私、この人形のこと、
人形師さんに聞いてくるから。
河城 にとり:
ありがとね。なんかあったら手伝うよ。
一応、助けてもらったし。
魂魄 妖夢:
さて、人形師さんのところに急がないと!