-------------- 魔法の森・アリスの家 -------------- 魂魄 妖夢： ん？　この妖気は、さっきの人形と同じ……。 だんだん、こっちに近付いてきてるわね。 幽霊人形： アアア……！ 魂魄 妖夢： これは……人形の大群！？　くっ……。 一人じゃ不利だけど、戦うしかない！ 幽霊人形： ウォオオオ……！ 魂魄 妖夢： ぐっ！　ぜ、はぁ……っ。さすがに、 この数を一人で相手するのは、きついわね……。 魂魄 妖夢： しまった、剣が弾かれ……！ 幽霊人形： ウウーッ……！ ？？？： そこまでよ！ 幽霊人形： ギィヤアァァ……！ 魂魄 妖夢： ……半霊の私！？ それに、人形師さんまで！ 妖夢ドール： 下がっててください、もう一人の私。 ここは私が。 アリス・マーガトロイド： 人形を壊すのは気が引けるけど……、しょうがない。 妖夢ドール、やるわよ！ 妖夢ドール： はぁああっ！ 魂魄 妖夢： ど、どうしてあなたたちが、 人形と戦っているのですか？ アリス・マーガトロイド： あれは、私の家から盗まれた子たちなの。 冥界から脱走した、幽霊にね。 魂魄 妖夢： え？　それって……、まさか、お盆の時期に 大量脱走したっていう幽霊たちのことですか！？ 魂魄 妖夢： 幽々子さまから、ほとんど連れ戻したと 聞いていたのですが……。 妖夢ドール： 本当は、まだ大半が逃げたままだったんですよ。 妖夢ドール： そして、見ての通り、人型の物に憑りついては、 地上で悪さをしているんです。 魂魄 妖夢： ……はっ。じゃあ、あなたが里で 物を壊し回っていたのって……。 妖夢ドール： はい。幽霊たちが憑りついていた物を壊し、 冥界へと送り返していました。 魂魄 妖夢： そういうことだったのね……。 魂魄 妖夢： ……それなら、私もいっしょに戦うわ。 あなた一人に任せるわけにはいかないもの！ 妖夢ドール： あら、半人前さんは、 まだ休んでてくれてもいいんですけど？ 魂魄 妖夢： 心配しなくても、足を引っ張ったりしないわ。 いまの私、なんだか調子がいいみたいだから！ 幽霊人形： ウオオォォ……！ 魂魄 妖夢： よし！　これで全員、幽霊を送り返せたみたいね。 妖夢ドール： ご協力、感謝します。 正直、ちょっと助かりました。 妖夢ドール： それと……、すみませんでした。 勝手に家出なんかしたりして。 魂魄 妖夢： ううん。謝るのはこっちよ。あなただけに、 大変な仕事をやらせちゃってたんだから。 妖夢ドール： いえ。これは幽々子さまから頼まれていた 私の仕事ですので、当然です。 アリス・マーガトロイド： 口ではこんなこと言ってるけどね。ホントは、 いつも頑張ってる自分の半身を休ませたかったのよ。 アリス・マーガトロイド： この夏は、仕事を気にせず楽しんでほしいって。 貴方、自分に愛されてるわね。 妖夢ドール： ちょ、ちょっと！ それは言わないでって言ったじゃないですか！ 魂魄 妖夢： そんな風に思ってくれてたんだ。 ありがとね、半霊の私。 妖夢ドール： ……あなたが息抜きできたのであれば、 それでいいです。 魂魄 妖夢： さーて！　これで、任務完了ってことなら、 今度こそ冥界へ帰りましょう！　ね。 妖夢ドール： ……いいえ、戻りません。 妖夢ドール： あなたのところへは、……もう戻れないんです。 魂魄 妖夢： え……！？