--------------
永遠亭
--------------
八意 永琳:
二人とも、おかえりなさい。
ふふ、ずいぶんお疲れみたいね。
蓬莱山 輝夜:
まあ、ね。でもあと一つ、
ここでの月見試合が残っているでしょう。
八意 永琳:
……ええ、最後は、私が相手をしましょう。
そう、月見試合、第五戦……。
八意 永琳:
弾幕対決でね!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
弾幕対決!? お師匠様と、姫様が……!?
蓬莱山 輝夜:
そう……最後は、あなたとの対決なのね。
いいわ、早速始めましょう。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
は、はい! それでは、お二人とも、
準備はよろしいでしょうか?
八意 永琳:
疲れているからって手加減はしないわよ、輝夜。
蓬莱山 輝夜:
望むところよ。そっちこそ、久しぶりだからって
言い訳なんてしないでよね。永琳!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
では……、空におわす頂点のお団子さまへ。
これより月見試合を奉じます。いざ、はじめ!
蓬莱山 輝夜:
先手必勝よ! 食らいなさい!
神宝「サラマンダーシールド」!
八意 永琳:
その弾幕は見切っているわ! 使い魔の放つ
光線さえ誘導すれば……簡単に避けられる!
八意 永琳:
次は、こちらの番よ!
神脳「オモイカネブレイン」!
蓬莱山 輝夜:
私だって、貴方の弾幕はよ~く知っているわよ!
恐れずに近寄って……、ここで反撃!
八意 永琳:
おっと、危ない! ……うふふ。
どうやら、長い戦いになりそうね!
蓬莱山 輝夜:
はあ……はあ……。
八意 永琳:
ふう……さすが、やるわね、輝夜。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
こ、こんなに長い戦いになるなんて。
お二人とも、お互いを知り尽くしてるから……。
蓬莱山 輝夜:
……これで最後よ。これなら手の内なんて
知られていても関係ない。覚悟、永琳!
蓬莱山 輝夜:
新難題「金閣寺の一枚天井」!!
八意 永琳:
とっておきで来たわね。でも……。
ふっ、はっ! 当たると思ったら大間違いよ!
八意 永琳:
さあ、すべて避け切ったわ!
覚悟なさい、輝夜!
蓬莱山 輝夜:
……ふふ、永琳。スキというのは、勝ったと
確信したその瞬間に生まれるものよ! 食らえ!
八意 永琳:
なっ……、ぐぅっ!? まさか……、
こんな、なんでもない弾に当たるなんて……!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
しょ、勝負あり!
この勝負、姫様の勝利です!!
蓬莱山 輝夜:
永琳なら、絶対に避けきると思っていたわ。
だから、最後の弾を撃つスキを窺っていたの。
蓬莱山 輝夜:
さあ、ついにすべての儀式が終わったわね。
これで、月は元に戻るのよね?
八意 永琳:
……ええ、その通りよ。
空をご覧なさい。
蓬莱山 輝夜:
わあ……、月が大きくなり始めたわ!
蓬莱山 輝夜:
よかった。これで無事に元の大きさに、
……って。あ、あら?
蓬莱山 輝夜:
え? え? どういうこと?
月が、どんどん大きくなっているわよ!?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
どうして!? そんなはずは……。
蓬莱山 輝夜:
う、うそでしょ。なんで……。
月が、空全体を覆うほど大きく……!?
八意 永琳:
月は、そもそも遠くに離れてなんていなかった。
なのに、貴方が近づけてしまったからよ。
蓬莱山 輝夜:
は? 離れていなかったって、どういう……。
八意 永琳:
協力ありがとう、輝夜。
これで、私の目的が達成できた。
八意 永琳:
そう……。
幻想郷に月を大接近させるという目的がね!
蓬莱山 輝夜:
…………え?