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妖怪の山 川のほとり
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射命丸 文:
さあ、取材旅行の次なる目的地、
妖怪の山を流れる川に到着いたしました!
古明地 こいし:
ここに、私のスペルカードの
ルーツかもしれないものがあるの?
射命丸 文:
ええ。2段階目の弾幕は、小さめの弾が
群れをなして動き回るものでしたよね。
射命丸 文:
あの形状と動き、そして胎児が見るという
夢の内容から考えると……。
射命丸 文:
2段階目の弾幕が表現しているのは、
おそらく魚なのではないかと思います!
古明地 こいし:
へー、そうなんだ。
じゃあ、さっそくお魚を探してみるねー!
古明地 こいし:
んーと、んーと……。むむ、1匹ずつなら
見つかるのに、群れってあんまりいないなぁ。
射命丸 文:
川幅が狭くて、群れられないのでしょうか?
もっと河口の方がよかったか……、ん?
???:
……ぎゃーてーぎゃーてー、
はーらーぎゃーてー……。
古明地 こいし:
……あれ、この声って。
射命丸 文:
滝の方から聞こえてきますね。
ちょっと見にいってみましょうか。
聖 白蓮:
……はんにゃー、しんぎょー。
射命丸 文:
やっぱり、命蓮寺の住職さんじゃないですか!
こんな所で何してるんですか?
聖 白蓮:
ああ、こんにちは!
何をって、もちろん滝行をするところですよ。
聖 白蓮:
よかったら、お二人も一緒にいかがですか?
共に雑念を洗い流しましょう!
射命丸 文:
いえ、遠慮します。夏も終わったというのに
冷たい滝に打たれるのは、ちょっと。
射命丸 文:
というか川に入ってしまったら、魚が逃げて
取材の目的が果たせなく……って、え!?
古明地 こいし:
滝に入るの? 楽しそう!
それーっ!
射命丸 文:
ああーっ!? なんで飛び込んじゃうんですか!
こいしさーんっ!?
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聖輦船
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聖 白蓮:
そうでしたか。スペルカードのルーツを……。
聖 白蓮:
事情を知らぬとはいえ、先ほどは邪魔を
してしまったようで、申し訳ありませんでした。
射命丸 文:
いえいえ。代わりに船に乗せてくださって
ありがとうございます。
射命丸 文:
川の魚は逃げちゃいましたが、ここからなら
空にいる群れを探すことができます。
聖 白蓮:
ええ。群れをなして動き回るものと言えば、
空を飛ぶ鳥も、またそうですからね。
聖 白蓮:
こいしさんの弾幕に似た景色……。
この船上で、何かしら見つかるとよいですが。
古明地 こいし:
あ! あっちに鳥さんの群れがいるよー!
なんの鳥かな。遠くて、よく見えない~……。
射命丸 文:
あれは雁ですかね。いやー、ピシリと整った
くの字の隊列、見事なものですねえ。
古明地 こいし:
じゃあ、あっちのぼんやり黒っぽいのは?
雁より大群みたいだけど。
射命丸 文:
あの大きさは、雀じゃないですか?
いや、むくどりかもしれませんが……。
射命丸 文:
……ちょっと待ってください。
あの大群、こっちに近づいてきてますよ!?
古明地 こいし:
わ、わああ~っ!?
聖 白蓮:
ああ、びっくりした……!
まさか鳥の大群が、頭上を掠めていくなんて!
射命丸 文:
ええ。危うくシャッターチャンスを
逃すところでした。ま、無事に撮りましたけど。
射命丸 文:
はい、こちら写真です。こう見ると、
2段階目の弾幕と似ているような気がしますね。
古明地 こいし:
ほんとだ。じゃあ、もしかしたら、これが……。
古明地 こいし:
あれ、何か落ちてきた。
……鳥の羽?
聖 白蓮:
ふふ、置き土産ですかね。
今日の記念に、持っていくといいでしょう。
古明地 こいし:
うん!
射命丸 文:
さて。そろそろ日も暮れてきましたし、
取材旅行の続きは、明日としましょうか。
射命丸 文:
それでは、こいしさん。
また明日お会いしましょう。
古明地 こいし:
うん? はーい、わかった!
天狗さん、また明日ー!
射命丸 文:
では、白蓮さん。私もこれで。
船、ありがとうございまし……、あっ!
射命丸 文:
し、しまった!
時間と場所を約束するのを忘れてたわ!
射命丸 文:
今ならまだ追いつけるでしょうか!?
こいしさん、こいしさーん!