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妖怪の山
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古明地 こいし:
それじゃあ、私のスペルカードのルーツを探る
最後の取材に出発だー!
古明地 こいし:
4つ目の弾幕っぽいものを探すんだよね。
ええっと、どういう弾幕だったかな……。
射命丸 文:
はい、こちらの写真をどうぞ。
いやあ、なかなかに眩しい弾幕ですね。
射命丸 文:
多数の光の球から、レーザーのようなものが
あちこちへ飛びだしていく感じでしょうか。
古明地 こいし:
うーん、レーザーかぁ……。
どこに行ったら見れるかな。
射命丸 文:
ふっふっふ……。お任せください!
実は、すでに目星をつけているのです。
射命丸 文:
眩しいレーザーを出すと言えば、
あの方を置いて他にないでしょう!
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神霊廟
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射命丸 文:
というわけで、神霊廟にやってきました!
豊聡耳 神子:
ずいぶん雑な理由で来たものだ……。
豊聡耳 神子:
まあ、構わないよ。
それじゃ、私のレーザーを見せてあげよう!
古明地 こいし:
わぁ~っ! すごい! まぶしい!
射命丸 文:
……しかし、「胎児の夢」の弾幕とは
あまり似ていませんねぇ。がっかりです。
射命丸 文:
もっと似ているレーザーはないんですか?
そうしたら、これで取材を終われるのですが。
豊聡耳 神子:
おや。そうは言っても、取材が続くのは、
君の望むところなのではないのかな?
豊聡耳 神子:
私には、君が彼女との取材旅行を
案外楽しんでいるように思えるよ。
射命丸 文:
う……。はぁー。そういえば貴方も、
人の心を見透かす力をお持ちでしたね。
豊聡耳 神子:
まあ、私が持っているのは
目ではなく耳だけれど……、むっ!?
射命丸 文:
うわっ、レーザー!? どこから!?
古明地 こいし:
わー、ごめんなさい! 私だと思う!
古明地 こいし:
さっき、部屋の隅っこにあった
大きい棒人形みたいなのに触ったら……。
豊聡耳 神子:
おおっと! そうか、あの木人に触ったのか。
あれは、私が改造した修行用の戦闘マシーンだ。
豊聡耳 神子:
埋め込んだ宝玉からレーザーを出すのだが……。
まだ調整中でね。壊れるまで止まらないんだよ。
射命丸 文:
なんてものを部屋に放置してるんですか!
と、とにかく、さっさと壊しましょう!
射命丸 文:
やれやれ、大変な目にあいました。
一応、先ほどの木人の写真も撮りましたが……。
古明地 こいし:
うーん。見比べると、さっきのレーザーも
4段階目の弾幕とは似てないね。
射命丸 文:
仕方ありません。また明日探しましょう。
こいしさん、これを。
古明地 こいし:
さっきの写真?
あれ、裏に何か書いてある……。
射命丸 文:
明日の待ち合わせ場所と時間です。
ちゃんと来てくださいね。
古明地 こいし:
はーい。これがあれば忘れないね。
じゃあ、また明日!
射命丸 文:
しかし、アテが外れて困ったわ。
最後の弾幕は、いったい何がルーツなのか……。
豊聡耳 神子:
案外、本人が体験していないことが
元になっているかもしれないな。
射命丸 文:
え? 知りもしないものを、
弾幕に反映したっていうんですか?
豊聡耳 神子:
無意識というものの中には、誰もが共通して持つ
普遍的なイメージの元型が集まる領域があるという。
豊聡耳 神子:
無意識を操る彼女のことだ。そういった元型を
ひとより鮮明に感じているのだろうさ。
豊聡耳 神子:
さて、壊れた木人を片付けるか。
……おや? 宝玉はどこにいった?
射命丸 文:
あ。もしかしたら、こいしさんが
持っていってしまったのかもしれません。
射命丸 文:
明日、返してもらっておきますよ。
それでは、失礼します!
古明地 さとり:
こいしってば、帰ってきたと思ったら
部屋に閉じこもって、何をしているのかしら。
古明地 さとり:
こいし、入るわよ? こいしー?
あら、姿が見えないわね……。って、え?
古明地 さとり:
なによ、これ……?