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迷いの竹林?
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宇佐見 菫子:
なんで竹林に出ちゃったんだろう? ……もしかして、
物語と違うことをしたから、展開が変わったのかも?
宇佐見 菫子:
もしそうなら、とっても面白いわ!
こっからどう変化していくのか、楽しみだなぁ。
宇佐見 菫子:
……って、あそこにいるのは?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
しまった……。まさか、あれを忘れちゃうなんて。
確実に怒られるよなぁ……、弱ったなぁ。
宇佐見 菫子:
白ウサギの鈴仙さん、どうしたの?
何か困りごと?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
どうも……。あっ、そうだ、そこの貴方!
ひとつ頼まれてはくれませんか?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
実は、今日必要な衣装を忘れてしまって。
永遠亭まで取りに行ってもらえないでしょうか?
宇佐見 菫子:
なーんだ。元の物語からちょっと変わっても、
白ウサギから、お使いを頼まれるのは同じなのかぁ。
宇佐見 菫子:
……じゃなくて!
いいよ、任せて。取ってくる!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
本当ですか。ありがとうございます!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
衣装は、入り口近くの部屋に置いてあります。
とても目立つので、すぐわかると思いますよ。
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永遠亭?
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宇佐見 菫子:
赤色の大きな柄に、キラキラの刺繍……。
きっと、これが探してる衣装ね。
宇佐見 菫子:
……だけど、こんなに大きいなんて
聞いてないんだけどー!?
宇佐見 菫子:
これは、どうやって運べばいいんだろう?
鈴仙さんも、どうやって着るの……?
宇佐見 菫子:
あっ、そっか! 大きくなる薬だ!
それさえあれば、運べるはず! よし、探そう!
宇佐見 菫子:
あったあった! これを飲めば……って、
この瓶の中身、ビタミン剤じゃん。
宇佐見 菫子:
大きくなる薬、ってラベルは貼ってあるけど……。
うーん……。とりあえず、一錠だけ飲んでみよう。
宇佐見 菫子:
よしよし、この大きさならちゃんと運べるね。
これでオッケー……、って。
宇佐見 菫子:
ん、んんん!? ウソ! 止まらない!
どんどん体が大きく……!
宇佐見 菫子:
う、うぐぐ……。大きくなりすぎて、
部屋に詰まっちゃった……。
宇佐見 菫子:
これじゃ出られないよ……。
おーい! 誰かー、助けてー!
チルノ:
なんか騒がしいけど……って、うわーっ!
ウサギの家に、人間がみちみちに詰まってる!
宇佐見 菫子:
あっ、ちょうどよかった!
お願い、妖精さん! 助けて!
チルノ:
えっ、なにそれ、一発芸の練習? それなら、
付き合ってあげる! これを避けてみろー!
宇佐見 菫子:
ちょ、ちょっと待ってよ! あ、痛っ!
なんで石を投げるのよ〜!?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
うわあ! さっきの人が、大きくなってる!?
そこの妖精さん。とりあえず、投石をやめて!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あんなに大きくなってるってことは、もしかして、
あの薬を飲んだのかしら? それなら……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
妖精さん、石のかわりに、
この薬をそこの人の口に投げ入れて!
チルノ:
これを? わかった!
天才のあたいに、まっかせなさーい!
宇佐見 菫子:
えっ! ちょ、ちょっと待って……、んぐっ!?
チルノ:
おお〜、どんどん小さくなってる。
さっき投げたのって、なんだったの〜?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
小さくなる薬ですよ。
妖精さん、ご協力ありがとうございました。
宇佐見 菫子:
ふぅ、二人のおかげで助かったよ。
全然出られなくなっちゃうんだもん。焦ったよ〜。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
うーん……。しかし、あの一粒で
妖精さんより小さくなってしまうとは……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
人間さん。貴方は、体の大きさを自由に
調節できるようになった方がよさそうですね。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
そうだ! 魔法の森に行って、そこに住んでいる
賢者の方に会ってくるのはどうでしょう?
チルノ:
なになに〜? それ、なんか楽しそうだね。
あたいも手伝うよー!
宇佐見 菫子:
いや、私一人で大丈夫だよ。
それじゃ、とりあえず森に行ってみるね。
チルノ:
またなんかあったら、
天才のチルノさまに遠慮なく頼ってね!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
何も心配することはないと思いますが、
気をつけて、いってらっしゃい!
宇佐見 菫子:
白ウサギは優しいし、物語には
いなかったはずの妖精が出てきた……。
宇佐見 菫子:
やっぱり、ちょっとずつ話が変わってるんだね。
ここから先は、どんなことが起きるのかしら!