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魔法の森?
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宇佐見 菫子:
さてと、魔法の森に到着!
……今度は誰に会うんだろう?
宇佐見 菫子:
……ん?
あの大きなキノコの上に乗ってるのは……。
パチュリー・ノーレッジ:
誰よ、貴方。
宇佐見 菫子:
えっ、パチュリーさん? キノコの上にいたのは、
たしか大きなイモ虫だったような……。
パチュリー・ノーレッジ:
誰がイモ虫よ、失礼ね。
私は、森の賢者パチュリーよ。
パチュリー・ノーレッジ:
それより貴方、なんだか暇そうね。
ちょっと、おしゃべりに付き合ってちょうだい。
パチュリー・ノーレッジ:
あら、もうこんな時間。
時が経つのは、あっという間ね。
パチュリー・ノーレッジ:
ああそうだ。貴方、働き者の鍋を休ませるには
なんて言えばいいか、知っている?
宇佐見 菫子:
えっ? 働き者の鍋?
そんなの聞いたことがないけど……。
宇佐見 菫子:
うーん、働き者の鍋ってなんだろう?
そもそも、鍋が働く……?
パチュリー・ノーレッジ:
……ごめんなさい。
困らせてしまうつもりはなかったの。
パチュリー・ノーレッジ:
お詫びに、これをあげるわ。はい。
話に付き合ってくれた、お礼も兼ねてね。
宇佐見 菫子:
これ、「大きくなる薬」と「小さくなる薬」って、
書いてあるけど……。もらっていいの?
パチュリー・ノーレッジ:
もちろんよ。きっと、貴方にとって
今一番必要なものでしょう?
宇佐見 菫子:
あ、ありがとう。……でも、ここで
もらうのって、キノコじゃなかったっけ?
パチュリー・ノーレッジ:
この森のキノコなんて、食べるもんじゃないわよ。
うっかり口に入れないように、気をつけなさい。
パチュリー・ノーレッジ:
それと、働き者の鍋には「鍋さん、立って」
と言って、休ませてあげるといいわ。
パチュリー・ノーレッジ:
そういえば、森の奥で困っている人がいたはずなの。
よかったら、助けてあげて。
宇佐見 菫子:
わかった、任せて!
おしゃべり楽しかったよ。それじゃあね!
宇佐見 菫子:
大きくなる薬をこれくらい……。
小さくなる薬は、これくらいかな……。ごくん。
宇佐見 菫子:
よかった、元の大きさに戻れた! それにしても、
だいぶ森の奥まで来たなあ……。あれっ?
霧雨 魔理沙:
まずいな……、受け取った時に
ちゃんと話を聞いておくんだった……。
宇佐見 菫子:
マリサっち、どうしたの?
霧雨 魔理沙:
うわあ! びっくりした……。
いやいや、ちょうどよかった!
霧雨 魔理沙:
実は、甘い粥を勝手に作る鍋をもらったんだけど、
使ってみたら止め方がわからなくてさ。
霧雨 魔理沙:
いろいろ試してみたんだけど、どれもダメで。
そのうち家中に粥があふれてきて……。
霧雨 魔理沙:
頼む! 鍋を止めてくれ!
このままだと、私の家が壊れる!
宇佐見 菫子:
勝手に粥を作ってくれる鍋……。
あっ! 働き者の鍋!
宇佐見 菫子:
任せて、マリサっち!
私がなんとかしてくるよ!
宇佐見 菫子:
よいしょ……。ふう、膝までお粥まみれだよー。
ええと、鍋は……、あのかまどね。
宇佐見 菫子:
着いた! 小さい鍋から、どんどんお粥が
あふれてる。よーし、「鍋さん、立って」!
霧雨 魔理沙:
おお……、鍋が止まった……!
助かったよ、ありがとう!
霧雨 魔理沙:
これから酒盛りに行くんだけど、お礼に
招待させてくれ。美味いものをご馳走するよ!
宇佐見 菫子:
いいの? ちょうどお腹すいてたんだ。
ありがとう!
霧雨 魔理沙:
そうこなくっちゃ!
じゃ、会場に案内するからついてきてくれよな。
宇佐見 菫子:
……あ。
もしかして酒盛りって、お茶会の代わり?
宇佐見 菫子:
なるほど、元の物語からそう変わったわけね。
ふふっ。なんだか、とっても幻想郷らしいなぁ。