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魔法の森?
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宇佐見 菫子:
どうしよう……。またマリサっちの家に
戻って来ちゃった。
霧雨 魔理沙:
まずいな……。このままじゃ、私の家が……!
宇佐見 菫子:
しかも、また困ってる……。
時間が巻き戻ったってこと?
宇佐見 菫子:
まさか……。物語が、
ちゃんと前に進んでないんじゃ……。
宇佐見 菫子:
い、いや、そんなことないよね。
とりあえず、話を聞いてみよう。
宇佐見 菫子:
マリサっち、どうしたの?
霧雨 魔理沙:
うわあ! びっくりした……、って
ちょうどよかった! 助けてくれ!
霧雨 魔理沙:
実は、甘い粥を勝手に作ってくれる鍋を
もらったんだけど……。
宇佐見 菫子:
うーん……、やっぱりさっきと同じだ。
でも、ここから先で何か変わるかもしれないよね。
宇佐見 菫子:
大丈夫、私に任せて!
霧雨 魔理沙:
いや〜、女王陛下は怒りっぽくてなー。
虫の居所が悪いと、すぐ乱暴になる。
因幡 てゐ:
そんなことより、お客様。ワインはいかが?
あっ、ここにはなかったか〜。
宇佐見 菫子:
や、やっぱり、変わってないー!?
宇佐見 菫子:
どうしよう……。とにかく、
また森の出口に行ってみるしかない!
宇佐見 菫子:
ま……、また、
マリサっちの家に戻ってきちゃった!?
宇佐見 菫子:
まさか……、まさか私、ずっとループしているの?
そんな、このままじゃ物語が進まなくなっちゃう!
宇佐見 菫子:
先に進めるためには、どうしたら……!
そうだ! なるべく物語通りに動いてみよう!
霧雨 魔理沙:
ちょうどよかった、助けてくれ!
実は……。
宇佐見 菫子:
うんうん、私に任せて!
霧雨 魔理沙:
そうそう。こんな、なぞなぞがあるんだけどさ。
お客人はわかるかな? えーっと……。
パチュリー・ノーレッジ:
……そのなぞなぞ、答えがないって
この前言ったと思うんだけど。
宇佐見 菫子:
ま……まだまだ。物語通りにするためには、
もうちょっと付き合わないと……。
宇佐見 菫子:
もう我慢ならないわー。付き合ってられないよー。
私、もう行くからねー!
宇佐見 菫子:
よ、よし。これなら、だいたい物語通りのはず!
このままいけば、きっと……。
宇佐見 菫子:
えっ、何? ……これは、火の粉?
向こうの光の方から飛んできてるみたい……。
宇佐見 菫子:
あれ? ここは、森の外……?
私、森から出られたんだ! よかったぁ!
宇佐見 菫子:
はー、びっくりしたぁ。もしかすると先に進むには
物語と違うことしないほうがいいのかも。……あっ!
宇佐見 菫子:
あそこに見えるの、神社の階段だ。
行ってみよう!
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博麗神社?
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宇佐見 菫子:
うわわっ! 何か飛んできた!?
……これは、うさぎ?
チルノ:
あっ、人間さん! 今パターゴルフで遊んでるの。
いっしょに遊ぼうよ。女王様、いいよね!
博麗 霊夢:
そうね。新たなプレーヤーの登場は歓迎するわ。
だから、貴方も参加しなさい。そこの旅人。
宇佐見 菫子:
じょ、女王様って、レイムっちだったの!?
怒りっぽいって……。あー、なるほど。
宇佐見 菫子:
わかりました。私も参加します。
それで、妖精さん。パターは、どこにあるの?
チルノ:
ちょっと待ってねー。
……はいこれ、人間さんの分だよ。
ニワトリ:
コケーーーーー!!
宇佐見 菫子:
に、ニワトリ!?
ってことはまさか、ゴールは……。
博麗 霊夢:
私の形代よ。それから、ボールは
あなたの足元で丸くなっているウサギ。
宇佐見 菫子:
あ、やっぱり……。
うーん、なんて遊びにくそうなんだろう。
宇佐見 菫子:
……えいっ! ううっ、また空振り……。
も、もう一回……。うわっ!
ニワトリ:
コケコケーーーーーー!!!
宇佐見 菫子:
ニワトリが! いや、ニワトリだけじゃなくて
うさぎまで暴れ出しちゃったよー!?
博麗 霊夢:
これじゃあ、ゲームにならないわ。大会は中止ね。
まったく、しつけのなっていない動物たちだこと。
博麗 霊夢:
それはそれとして、貴方には参加賞をあげるわ。
女王のタルトよ。ありがたく受け取りなさい。
博麗 霊夢:
あら、タルトが足りない? ……盗まれたんだわ!
犯人は、さっきの妖精よ! すぐに裁判を開くわ!
宇佐見 菫子:
よかった、ちゃんと物語通りに進んでるみたい。
このままいけば、もうすぐ夢も終わるわね。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
これより、タルト窃盗事件の裁判を開廷する!