--------------
博麗神社? 縁側
--------------
鈴仙・優曇華院・イナバ:
静粛に! これより、女王陛下の名の下、
タルト窃盗事件の裁判を開廷する!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
被告人、氷の妖精チルノ。前へ!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
罪状。被告人は、陛下の目を盗み、
タルトを盗み出すという罪を犯した。
チルノ:
なに言ってんのよ! あたいは、
盗んでなんかないってば! そんなのウソだ!
宇佐見 菫子:
物語通りなら、そのうち私が
証人として呼ばれるはずよね……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
では、証人の話を聞きましょう。
森のよろず屋、前へ!
霧雨 魔理沙:
妖精〜? 私は何も見てないなぁ。っていうか、
たかがタルトで、そんなに怒るなって、女王陛下。
博麗 霊夢:
……それは、私への侮辱にしか聞こえないけど。
森のよろず屋、迅速に退廷を命ずる。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
それでは、次の証言に移ります。
二人目の証人、旅の人間。前へ!
宇佐見 菫子:
は、はい。私は何も見てないし何も知りません。
だけど、女王様も私といっしょにいましたよね?
宇佐見 菫子:
だから、女王様も見ていないはずです。なのに、
妖精さんが犯人と決めつけるのは早いと思います。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
貴方の言い分はわかりました。
……他に証言や、提出する証拠はありませんか?
宇佐見 菫子:
よ、よし……。だいたいこんな感じでいいよね。
あとは、最後にもう一回……。
因幡 てゐ:
はいはーい。私、見ちゃったんだ~。
その妖精が、タルト食べてるところ。
因幡 てゐ:
こっそりカゴを開けて持ち出してたのよね。
いや~、美味しそうに食べてたな〜。
チルノ:
なっ……! なに言ってるのよ、あんた!
そんなの、でっち上げだ!
博麗 霊夢:
でっち上げにしては、やけに詳しい証言。
これは事実ね。よって、被告人は有罪!
宇佐見 菫子:
来た……! ここで、私が裁判について、
物語通りに批判しないと!
宇佐見 菫子:
そんなのおかしいわ! だって、てゐさんは
私たちがいた所にいませんでした!
宇佐見 菫子:
そんな不確かな証言をすぐに信じるなんて、
この裁判はおかしいよ!
博麗 霊夢:
貴方、私の名で開かれた裁判を侮辱するのね。
そっちがそのつもりなら、いいでしょう。
博麗 霊夢:
これより、実力行使で判決を下すわ!
私と勝負しなさい。勝ったほうが正義よ!
宇佐見 菫子:
えええっ!? そんな、めちゃくちゃな……。
でも、物語では攻撃されて目が覚めたような。
宇佐見 菫子:
それならきっと、この勝負の途中で
目が覚めるのね! よーし、かかってこーい!
博麗 霊夢:
ほらほら、どうしたの? 避けてばかりじゃ、
いつまでも終わらないわよ?
宇佐見 菫子:
ううっ。レイムっち、容赦なさすぎ!
こうなったら、反撃してやるわー!
宇佐見 菫子:
くらえ! パイロキネシス!
博麗 霊夢:
きゃあああ! こんな……、こんな小娘に、
私が負けるなんて……。
宇佐見 菫子:
か、勝っちゃった!? これで物語は終わる?
目が覚めそうな感じは全然しないけど……。
宇佐見 菫子:
と、とにかく。物語が終わったのなら、
どこかに出口ができてるかもしれない!
宇佐見 菫子:
なんかこう、バックドア的なやつが!
探しに行くために、まずは神社から出よう!
宇佐見 菫子:
あ、あれ? なんで……。神社から
出たはずなのに、また境内にいるんだけど!?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
静粛に! これより、女王陛下の名の下
タルト窃盗事件の裁判を開廷する!
宇佐見 菫子:
しかも、また裁判が始まってる……。も~!
とにかく、物語通りにやるしかないよね!
博麗 霊夢:
くっ……。
こんな小娘に、遅れをとるなんて……!
宇佐見 菫子:
ま、また勝っちゃった。
じゃあ、これは物語通りってことになるの?
宇佐見 菫子:
とりあえず、出口を探しに行かないと……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
被告人、氷の妖精チルノ。前へ!
宇佐見 菫子:
また戻ってきちゃった!?
……とにかく、神社から出てみよう!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
証人、森のよろず屋。前へ!
宇佐見 菫子:
またなの!?
いい加減、付き合ってられないのに!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
罪状。被告人は……。
宇佐見 菫子:
も、もう勘弁してよ……!
霧雨 魔理沙:
私は何も見てないなぁ……。
宇佐見 菫子:
いつまで続くのよ!? このままじゃ、
本当に夢から出られなくなっちゃう!
宇佐見 菫子:
早く……、早く帰りたい!
お願いだから、早く私を夢から出してよー!!
宇佐見 菫子:
やっぱり、神社に戻ってきちゃった……。
でも、あれ……?
宇佐見 菫子:
ここって……、
さっきと違って証人席じゃ、ない……?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
これより、裁判を開廷する。
被告人、宇佐見菫子。前へ!