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地下室
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パチュリー・ノーレッジ:
あのカボチャ頭、どうやって逃げたのかしら?
出口には、私たちがいたのに……。
フランドール・スカーレット:
姿を消す魔法でも使ったのかな?
そうなると、ちょっと厄介よね。
十六夜 咲夜:
すみません、私が取り逃がしたせいで……。
レミリア・スカーレット:
いいのよ。どんな魔法を使おうと、
絶対に捕まえてみせるから。
???:
ぎゃあああああああ!!!
パチュリー・ノーレッジ:
……っ!? 今の悲鳴は?
フランドール・スカーレット:
ホールの方から聞こえたわ。
まさか、また誰かが襲われたんじゃ……。
魂魄 妖夢:
ハァハァ……。なんとか逃げられたみたい。
パチュリー・ノーレッジ:
ねぇ、ちょっと……。
魂魄 妖夢:
ぎゃあああ!!
お、お、お助けください!
レミリア・スカーレット:
落ち着きなさいって。
ちょっと聞きたいことがあるだけよ。
魂魄 妖夢:
えっ! あ、ああ。あなたたちでしたか。
パチュリー・ノーレッジ:
さっきの悲鳴、あなたよね?
だいぶ怯えてるようだけど、何があったの?
魂魄 妖夢:
そ、それがその……私、見ちゃったんです。
魂魄 妖夢:
さっき、あなたたちが話してた、
……カボチャ頭の、殺人鬼を。
レミリア・スカーレット:
えっ!? それ本当?
詳しく聞かせてくれない?
魂魄 妖夢:
ええと……、カボチャ頭の話を聞いて、
私、怖くなって、もう帰ろうと思ったんです。
魂魄 妖夢:
それで、幽々子様を探してたんですけど、
うろうろしてたら、誰かとぶつかってしまって。
魂魄 妖夢:
謝ろうとして振り向いたら、
そ、それが……。
パチュリー・ノーレッジ:
カボチャ頭だった、ってわけね。
魂魄 妖夢:
はい……。カボチャに開いた穴の奥が真っ黒で、
もう怖くて……。思わず叫んで逃げたんです。
魂魄 妖夢:
あれは、絶対にカボチャ頭の殺人鬼でした。
まだ、このホールのどこかにいるはずです。
パチュリー・ノーレッジ:
う~ん……。おかしいわね。
だって、カボチャ頭は地下室に行ったのよ。
レミリア・スカーレット:
そうよね。私たちがあいつを見失ってから、
悲鳴が聞こえるまで、そんなに時間は経ってない。
パチュリー・ノーレッジ:
でも、あいつはホールに戻ってた。
いったい、どうやって……。
フランドール・スカーレット:
お姉様、パチュリー! ちょっと聞いて!
レミリア・スカーレット:
何よ、フラン。今、真剣に考えてるんだけど。
フランドール・スカーレット:
それが、庭園への扉が開いていたのよ。
鍵は閉めたのよね、咲夜?
十六夜 咲夜:
はい。お客様が庭園に入らぬよう、
施錠していたのですが……。
パチュリー・ノーレッジ:
誰かが鍵を開けたってこと?
まさか、カボチャ頭が……?
レミリア・スカーレット:
すぐに見に行きましょう。
今度こそ捕まえてやるわ!
十六夜 咲夜:
私は、ここに残ります。カボチャ頭が、
まだここに残っている可能性もありますから。
フランドール・スカーレット:
それもそうね。頼んだわよ、咲夜!
パチュリー・ノーレッジ:
フラン、いつになく張り切ってるわね。
フランドール・スカーレット:
当然よ。神出鬼没の殺人鬼がどんなやつなのか、
私が捕まえて調べてやるわ。
レミリア・スカーレット:
ダメよ、フラン。
あのカボチャを引っぺがすのは、私なんだから。
パチュリー・ノーレッジ:
どっちでもいいから、さっさと行きましょ。
レミリア・スカーレット:
う~ん、怪しい影は見当たらないわ。
パチュリー・ノーレッジ:
庭園もそれなりに広いからね。
隠れられそうな庭木も、結構あるし。
レミリア・スカーレット:
あれ? そういえば、フランは?
さっきまで一緒にいたのに。
パチュリー・ノーレッジ:
別の場所を探してるんじゃないかしら?
張り切ってるようだったしね。
レミリア・スカーレット:
ああ、あそこにいたわ。おーい、フラーン!
って、あれ? 何か様子が変だわ。
パチュリー・ノーレッジ:
揺すってみても、全然起きないわね。
……まさか、フランもカボチャ頭に襲われた?
レミリア・スカーレット:
あっ! パチェ、気をつけて!
パチュリー・ノーレッジ:
えっ……?
パチュリー・ノーレッジ:
きゃあっ!! いったい何!?