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紅魔館
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フランドール・スカーレット:
あー、面白かった!
ねぇねぇ、二人ともビックリした?
パチュリー・ノーレッジ:
ビ、ビックリしたわ……。
レミリア・スカーレット:
ええ、ほんとに。
急に血まみれのあなたが襲ってくるから……。
フランドール・スカーレット:
フフフ、それは何よりよ!
ついに目的を達成できたわ!
十六夜 咲夜:
やりましたね、フランお嬢様。
パチュリー・ノーレッジ:
も、目的……?
レミリア・スカーレット:
咲夜! やりましたって、どういうこと?
フランドール・スカーレット:
ふふん! 何を隠そう、今回の騒動は、
全部私が仕組んだのでしたー!
パチュリー・ノーレッジ:
仕組んだ、って……。
フランドール・スカーレット:
まずは、カボチャ頭が出るって噂を広めて、
その後、メイドが襲われたように見せかけたの。
十六夜 咲夜:
地獄の妖精に協力してもらい、ランタンに
細工をして、皆さまに襲撃を信じ込ませたんです。
パチュリー・ノーレッジ:
ああ、彼女の人を狂わす能力……。
なるほど。だから停電をさせたのね。
十六夜 咲夜:
そうです。カボチャのランタンに目が行くよう、
一度停電をさせて、注目を引きました。
フランドール・スカーレット:
それから、魔理沙にカボチャの被り物をさせて、
犯人に見せかけるために逃げてもらったの。
十六夜 咲夜:
私は魔理沙を追いかけるフリをして地下室へ行き、
時間を操って彼女を逃がしました。
レミリア・スカーレット:
そういうことだったの……。ま、そうしなきゃ、
あの地下室からは出られないか。
パチュリー・ノーレッジ:
咲夜が襲われたのは、迫真の演技だったってことね。
本当に心配しちゃったわ。
十六夜 咲夜:
フフフ、申し訳ありません。
でも、だませたのなら、練習の甲斐がありました。
フランドール・スカーレット:
で、その後は一旦みんなをホールに戻して、
今度は庭園に向かうように誘導したのよ。
フランドール・スカーレット:
庭園で倒れたふりをして驚かせて……。
さらに、人形遣いにもおどかしてもらったわ。
フランドール・スカーレット:
そのあと、庭園から戻ってきたお姉様たちを、
私と魔理沙で驚かせるはずだった、けど……。
フランドール・スカーレット:
まさか、魔理沙が見つかっちゃうとはね。
私の方が驚いちゃったわ。
十六夜 咲夜:
申し訳ありません、お嬢様。図書館に
隠れているように、私が伝えたせいで……。
フランドール・スカーレット:
ううん! 結局、最後は二人とも
驚いてくれたし、大満足よ。
レミリア・スカーレット:
それにしても、わからないわね。
どうして、こんな大掛かりなことを?
フランドール・スカーレット:
そんなの、決まってるじゃない。
お姉様とパチュリーを驚かせたかったからよ。
パチュリー・ノーレッジ:
……え?
フランドール・スカーレット:
ハロウィンは、死者が生者をビックリさせるもの。
それを聞いて、私もやってみようと思ったの。
フランドール・スカーレット:
パチュリーは普段あまり驚かないし、お姉様は、
自分が誰かを驚かせることしか考えてなかったし。
フランドール・スカーレット:
私は死者じゃないけど、そんな二人を
ビックリさせられたら、楽しそうだなって思って。
パチュリー・ノーレッジ:
ああ、そう……。まったく、ずいぶん
気合いの入った、おもてなしをされちゃったわ。
レミリア・スカーレット:
ホントは私が驚かせるはずだったのに、
まんまとフランの思惑にハマったようね。
レミリア・スカーレット:
悔しいけれど、でも、
なかなか楽しませてもらったわよ。
フランドール・スカーレット:
やったあ!
えへへ、ハッピーハロウィン、大成功ね!