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紅魔館
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レミリア・スカーレット:
色々あったけど、
ハロウィンパーティも無事にお開きね。
パチュリー・ノーレッジ:
カボチャ頭を探してあちこち駆けまわったし、
さすがにちょっと疲れたわ……。
十六夜 咲夜:
お二人とも、お疲れ様です。
片付けは私たちがやりますから、お休みください。
パチュリー・ノーレッジ:
悪いわね、咲夜。
霧雨 魔理沙:
……っていうか、なんで私まで、
片付けをしなくちゃならないんだ?
十六夜 咲夜:
まあまあ、いいじゃないの。これくらい。
あなたも妹様のイタズラに参加したんだし。
霧雨 魔理沙:
したんじゃなくて、させられたんだけどな……。
まあいいよ、やればいいんだろ。
パチュリー・ノーレッジ:
あんな様子なのに、よく手伝ってくれたわね。
どんな手を使ったの?
十六夜 咲夜:
魔理沙には、協力を断ったら、今後一切館への
出入りを禁止すると言って、応じさせました。
パチュリー・ノーレッジ:
そういえば、捕まえた時に色々言ってたわね……。
ちなみに他の連中には、なんて?
十六夜 咲夜:
色々と報酬を用意しました。
ただ皆さま、報酬が気に入ったというより……。
十六夜 咲夜:
誰かを驚かせること自体に乗り気だったようで。
快く引き受けてくれましたよ。
パチュリー・ノーレッジ:
そうね。幻想郷の住人は、そういうのが好きよね。
他人を驚かせたり、イタズラを仕掛けたり。
レミリア・スカーレット:
今回のパーティは、そういった連中にとって、
うってつけだったってわけなのね。
フランドール・スカーレット:
あ! 二人とも、ここにいたのね。
実は聞きたいことがあって……。
フランドール・スカーレット:
あの時、どうして図書館へ行ったの?
パチュリー・ノーレッジ:
あの時? ああ、庭園にいた時ね。
たしかレミィが、カボチャ頭を見つけて……。
レミリア・スカーレット:
そうそう。追いかけて行ったら図書館に着いてね、
そこで、カボチャ頭の魔理沙を捕まえたのよ。
パチュリー・ノーレッジ:
その前に、私は魔理沙に襲われそうになったけど。
急に身体が動かなくなるし、焦ったわ。
霧雨 魔理沙:
おい、待てよ。なんの話だ?
私はパチュリーを襲ったりしてないぞ?
パチュリー・ノーレッジ:
……え?
霧雨 魔理沙:
そもそも庭園なんか行ってないし……。
何かと見間違えたんじゃないか?
レミリア・スカーレット:
そ、そんなはずないわ。だって、私もパチェも、
あなたが走っていくのを見たから図書館へ……。
十六夜 咲夜:
……魔理沙。伝えた通り、
人の多い場所は避けて移動してたのよね?
霧雨 魔理沙:
ああ。だからホールにも戻っていないぞ。
地下室からは、別のルートで図書館へ行ったんだ。
レミリア・スカーレット:
ホールに戻ってない……? じゃあ、
あの冥界の庭師が見たっていう、カボチャ頭は?
パチュリー・ノーレッジ:
それに、私を襲った、あのカボチャ頭も……?
フランドール・スカーレット:
……ひょっとして、本物の殺人鬼?
レミリア・スカーレット:
な、なに言ってるのフラン。
まさか、そんなはずないでしょ。
パチュリー・ノーレッジ:
……いえ、ありえるわね。
パチュリー・ノーレッジ:
カボチャ頭は神出鬼没で、
襲った相手の身動きを封じるとされている。
パチュリー・ノーレッジ:
実際に、私は身体を動かせなくなったし、
瞬きする間に、あいつは忽然と消え失せたわ。
レミリア・スカーレット:
それじゃ、本当に……?
パチュリー・ノーレッジ:
……かもしれない。
けど、本当のところはわからないわね。
フランドール・スカーレット:
案外、まだこの館にいたりして……。
レミリア・スカーレット:
や、やめてよフラン。
さあ、もう今日は休みましょう。
フランドール・スカーレット:
は~い。あ~あ、本物が来てたんなら、
私も見てみたかったなぁ。
パチュリー・ノーレッジ:
ん? ……まさか、ね。