アリス・マーガトロイド: 本当のことを言いなさい。 その方が、あんたのためよ。 霧雨 魔理沙: いい加減、しつこいぞ。 何も知らないって言ってるだろ。 -------------- 魔法の森 -------------- 物部 布都: まったく、これだから妖怪は。 なんと自分勝手なことか。 霧雨 魔理沙: ……だいたい、急になんなんだよ。 私のせいとか、やらかしたとか。 アリス・マーガトロイド: まだとぼけるつもり? じゃあ、その魔法陣は、なんなのよ。 物部 布都: この声、魔理沙殿とあの人形遣い……。 しかも今、魔法陣と言ったか!? 霧雨 魔理沙: ……ったく、これじゃラチが明かないな。 物部 布都: おい、おぬしたち! アリス・マーガトロイド: うわっ、びっくりした。急に何? 物部 布都: 先ほど、魔法陣について話をしていたな? それについて詳しく……、む? 物部 布都: あっ! その地面の魔法陣、里で見たのと同じ!? やはり、おぬしたちが犯人であったか! アリス・マーガトロイド: はぁ? ……ちょっと、魔理沙のせいで 私まで疑われちゃったじゃない。 霧雨 魔理沙: こいつはともかく、私は犯人じゃないぜ。 今日はずっと実験してて、森から出てないしな。 物部 布都: だ、だが、神霊廟や里で黒い炎が出た際、 いつも、そのような魔法陣が……。 霧雨 魔理沙: まさか。見間違いじゃないか? だって、まだ完成してないんだぞ、これ。 霧雨 魔理沙: 火祭りを盛り上げるための特別な魔法を 作ってるんだけど、なかなかうまくいかなくて。 霧雨 魔理沙: その名も、ブレイジングスピア! 火柱型の魔法で、かなり派手な出し物になるはずだ。 物部 布都: ぶ、ぶれいじんぐ……? よくわからんが、結構苦戦しておるようだな。 霧雨 魔理沙: そうなんだよ。パチュリーにも相談して、 魔法陣を改良しているんだが……。 アリス・マーガトロイド: その相談していた魔法陣が、 里に現れたものと同じだって言ってるのよ。 霧雨 魔理沙: えっ! そうなのか? なんで……って、 そういえばあの時、お前も図書館にいたっけ。 アリス・マーガトロイド: ええ。 だから、何か知らないか話を聞きに来たのよ。 アリス・マーガトロイド: もしかしたら魔理沙が、失敗した魔法陣を 各地にばらまいてるんじゃないかと思って。 霧雨 魔理沙: するわけないだろ。だいたい、魔法使いがいなきゃ あの手の魔法陣は発動しないぞ。 物部 布都: ……どちらも犯人ではないように聞こえるな。 では、いったい誰がこんなことをしたのだ? 霧雨 魔理沙: う~ん……。他にこの魔法陣を知ってるのは、 パチュリーくらいだけど。 アリス・マーガトロイド: こんなことをする理由がないわ。 めったに外にも出ないわけだし。 霧雨 魔理沙: ……いや。あいつ、ついさっき来たぞ。 調子はどうか、って。 物部 布都: なんと! それは本当か? 霧雨 魔理沙: ああ。うまくいってないって返したら、 「そう」とだけ言って、どっか行ったけど。 霧雨 魔理沙: 思えば、あいつが出歩くなんて普通じゃない。 何か、よっぽどの理由があるに違いないぜ。 アリス・マーガトロイド: パチュリーも魔法陣の実験をしてたとか? でもそれなら、魔理沙にも教えるはずよね。 物部 布都: 魔法を独占しようとしたのではないか? 先ほど現れたのも、様子を伺うためだったとか。 霧雨 魔理沙: そうか! きっと、先にこの魔法を完成させて、 私に自慢するつもりだったんだ! 物部 布都: となると、真犯人はパチュリーで決まりか! アリス・マーガトロイド: うーん、さすがに早合点な気がするけど……。 アリス・マーガトロイド: ……ん? ええっ!? ちょっと二人とも、あれを見て! 霧雨 魔理沙: うわっ、なんだあれ!? 黒い炎が、燃え上がってる……? 物部 布都: あの方角は、たしか……。 玄武げんぶの沢がある方ではないか!? 物部 布都: まさか、先ほどのねぶたの火が!? い、急いで行かねば!