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輝針城
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鬼人 正邪:
こ、ここは……、輝針城だと!?
鬼人 正邪:
さっきまで、湖にいたはずなのに……。
おい、地獄の女神とやら! なにをしやがった!?
ヘカーティア・ラピスラズリ:
ここは、過去の輝針城。あなたのこれまでの行いを
一緒に振り返るのよ。ほら、見てみなさい?
鬼人 正邪:
過去だぁ……?
ん? あ、あれは!?
針妙丸?:
よーし、これだけの道具たちが動ければ、
戦力としては十分ね!
正邪?:
そうですね。いよいよ強者を倒し、
弱者が天下を取るときです!
正邪?:
……素直で助かるぜ。
こいつがいれば、勝手に力が手に入るな。
鬼人 正邪:
……こ、これはまさか、あの異変の時の!?
ヘカーティア・ラピスラズリ:
そう。言ったでしょ。過去を振り返るって。
ここは、あなたが異変を起こした時の幻想郷。
ヘカーティア・ラピスラズリ:
まずは自分の悪事を見つめ直して、
しっかり反省してちょうだい?
鬼人 正邪:
ばかばかしい。するわけないって言ってるだろ。
天邪鬼が世に反逆しないで、どーすんだ。
ヘカーティア・ラピスラズリ:
はぁ……。すっかりひねくれ者になったのねえ。
昔はもっといい子だったじゃない。こんな感じで。
鬼人 正邪:
何を言って……。うおっ、眩しい!?
正邪?:
今日はついてるな!
まさか、鳥がまるまる一匹手に入るなんて!
正邪?:
早く帰って、みんなで分けよう。
きっと腹を空かせているはずだ!
レミリア?:
おやおや、美味しそうな鳥じゃない。ちょうど
クリスマスのご馳走が足りなかったのよね。
正邪?:
な、なんだよ。これは渡せないぞ。
みんなで分け合って食べるんだからな……!
レミリア?:
ククク……! 弱者に選ぶ権利があるとでも?
おとなしく強者に貢ぎなさい!
正邪?:
うわあああああ!?
頼む! それを持って行かれたら……!
レミリア?:
大丈夫よ。ちゃんと残さず食べてあげるわ。
じゃあ、ご苦労様。あっはっは!
正邪?:
くそう、なにが強者だ……!
私たちだって、弱くても生きてるんだぞ!
正邪?:
反逆してやる! 弱者を虐げる強者たちに!
どんな手を使っても世の中をひっくり返してやる!
ヘカーティア・ラピスラズリ:
ああ、かわいそうに……。
仲間のために食料を集めていただけなのに。
鬼人 正邪:
おい、待て! あんな記憶はないぞ!
勝手に変な過去を作るんじゃない!
ヘカーティア・ラピスラズリ:
あら、ダメ? しょうがないわねえ。
じゃあ、こういうのはどう?
正邪?:
おい、しっかりしろ!
もうすぐ助かるんだぞ!
チルノ?:
うう……、もうあたいはダメだ。
あんただけでも行って……。
正邪?:
なに言ってんだ! 置いてなんかいけるか!
いいから立って、一緒に帰るんだ!
チルノ?:
ああ……。
クリスマスプレゼント、欲しかったな……。
正邪?:
おい、ダメだ目を開けろ! 開けるんだ!
……くそっ。
正邪?:
強者はいつも、弱者から奪っていく……。
食べ物も、遊び場も、大事なプレゼントも!
正邪?:
約束だ。いつか強者を倒し、弱者の誰もが
クリスマスを楽しめるようにしてみせる……!
鬼人 正邪:
やっぱり全部ウソじゃねーか!
ヘカーティア・ラピスラズリ:
も~、せっかく心温まるお話を見せてあげたのに
ケチばっかりつけんじゃないわよー。
ヘカーティア・ラピスラズリ:
はいはい、わかりました。
この程度じゃ、性根は変えられないってことね。
ヘカーティア・ラピスラズリ:
過去を見るのはこれで終わり。
それじゃあ、次は現在の様子を見に行くわよん!
鬼人 正邪:
うおおっ!? ま、まだ続くのかよー!?