-------------- 紅魔館 -------------- 鬼人 正邪: さて、紅魔館に着いたが……やけに静かだな。 パーティの準備中じゃないのか? 鬼人 正邪: 門も開いてりゃ、門番もいないとは。 よくわからんが好都合だ。邪魔するぜ……。 鬼人 正邪: うおっ!? う、植木鉢が飛んできた!? 鬼人 正邪: いってぇ! 今度はじょうろかよ! いったい、なにがどうなってやがる!? レミリア・スカーレット: やっぱり現れたね、天邪鬼! あんたが来るのはわかってたよ。 鬼人 正邪: へぇ……。だったら私がここに来た理由も、 全部お見通しってことか? レミリア・スカーレット: 当然。あんたの欲しがってるプレゼントは、 この屋敷の地下室にある。 レミリア・スカーレット: もちろん、タダでは行かせないけどね。 ねえ、咲夜? 十六夜 咲夜: はい、屋敷中に罠を仕掛けておきました。 天邪鬼ごときが突破するのは不可能でしょう。 鬼人 正邪: ……ははっ、そう来なくちゃな! その言葉、私がひっくり返してやるよ! レミリア・スカーレット: 楽しみにしてるよ。 お前がちゃんと、トラップを乗り越えるのをね。 鬼人 正邪: やってやるよ。どんな手を使ってでもな! 鬼人 正邪: 玄関から入るのがダメなら、上から侵入だ。 このまま飛んでいって…… 鬼人 正邪: ぐおおお!? ま、窓からパンチンググローブ!? 鬼人 正邪: くそ、これは……。 思った以上に、苦戦しそうだな。 ???: おわーっ!? なんだなんだ! 植木鉢が飛んできたぞ!? 鬼人 正邪: ん? この声は……? チルノ: むう、クリスマスの宴会があるはずなのに、 イタズラばっかりで、誰もいないぞ? チルノ: まさか主催すら超えて、真の一番乗りしちゃった!? さ、さすが最強のあたい……! 鬼人 正邪: なんだ、あいつ。もしかして、 時間を間違えたのか? マヌケなやつ……。 鬼人 正邪: ……いや、あれは使えるな。 鬼人 正邪: おーい、そこの妖精。 お前もパーティに呼ばれてきたのか? チルノ: む、あたいより先に人が……って、ああ!? お前は、この前プレゼントを台無しにした天邪鬼! チルノ: どうしてくれるんだ! お前のせいで かき氷を渡せなくなったんだぞ! 鬼人 正邪: ま、待ってくれ! あのときは悪かった! かわりに、いいことを教えてやる! チルノ: もんどうむよー! お前なんか氷漬けにしてやる! 鬼人 正邪: お、落ち着けよ! 実は今、宴会の余興である プレゼント探しが始まっているんだが……。 チルノ: プレゼント探しぃ? 怪しい……。 あたいは、そんなのあるって聞いてないぞ! 鬼人 正邪: 本当だって。館の奥に隠されたプレゼントを 最初に見つけられたら、ケーキが食べ放題なんだ! 鬼人 正邪: でも、お前も見ただろ? 今の紅魔館は罠だらけで、中に入るのも難しい。 鬼人 正邪: そこで、私と手を組まないか? プレゼントが 見つかったら、ケーキは全部やるからさ! チルノ: むむむ、ケーキはちょっと欲しいけど……。 鬼人 正邪: 頼む、最強のお前がいれば安心だ! 一緒に紅魔館を攻略してくれ! チルノ: そこまで言われたら、しょうがないなあ! 最強のあたいが、なんとかしてやるよ! 鬼人 正邪: 本当か!? ありがとう! 鬼人 正邪: へっ、バカなやつ……。 このまま利用させてもらうぜ。 チルノ: よーし、プレゼント目指して出発だ! チルノ隊長について来い! 鬼人 正邪: ああ、頼りにしてるぜ! ……トラップ避けの盾としてな。