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とある学校の教室
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宇佐見 菫子:
はーあ。多重積分を延々解かせるだけだなんて、
新しい学校の授業も、たいしたことないわね。
宇佐見 菫子:
せっかく超名門校に転校したのに、
この程度じゃ、家で勉強してる方がマシかも。
博麗 霊夢:
はーい、授業を始めるわよー。
宇佐見 菫子:
次は、霊夢先生か。どうせ、この授業も
つまんないだろうし、寝てようかな。
博麗 霊夢:
みんな。今日の授業はフィールドワーク。
校舎の裏山にある、風穴の調査よ!
宇佐見 菫子:
え? 裏山の風穴って……、
あのネットで有名な、ミステリースポットの!?
宇佐見 菫子:
まさか、そんな所でフィールドワークをやる
授業があるなんて!
博麗 霊夢:
宇佐見さんは、今日が初めてよね。これはね、
興味のあることを好きに調べる授業なの。
博麗 霊夢:
最後にレポートを提出してくれれば、
それでいいから。
博麗 霊夢:
はい、この計測器具を持って。じゃあ行くわよ!
宇佐見 菫子:
え!? は、はい!
博麗 霊夢:
さあ、到着したわ!
チャイムが鳴るまで、存分に調査しなさい!
宇佐見 菫子:
ここが風穴……。
微かに不思議なオーラを感じる。
宇佐見 菫子:
ん? なんだろう、この磁場の乱れ。
この辺りに何かあるのかしら?
宇佐見 菫子:
壁は、ただの岩肌っぽいけど……。
あれ、妙に冷たい?
宇佐見 菫子:
これは、冷気が壁を伝って流れてるみたいね。
じゃあ、この流れを辿っていけば……。
博麗 霊夢:
どう、宇佐見さん。
調査は順調?
宇佐見 菫子:
あ、先生! 見てください!
この岩陰のヒビから、冷気が出てきてるんです!
博麗 霊夢:
あら、本当ね。しかも、これ……。
なんだか妖しいオーラも出てるみたい。
宇佐見 菫子:
きっと、この穴の先に、巨大な空間が……
そう。UFOが隠された地下世界があるのよ!
宇佐見 菫子:
磁場の乱れは、それが影響してるんだわ。
確かめに行かなきゃ!
博麗 霊夢:
大胆な仮説ね。
でも、面白そうでいいじゃない!
宇佐見 菫子:
よーし! さっそく私の超能力で岩を……。
宇佐見 菫子:
えええ! もう授業終わり!?
そんなぁ~!
宇佐見 菫子:
はい、先生。
今日の調査レポートです。
博麗 霊夢:
うん! よくまとまっているわね。
お疲れ様。授業はどうだった?
宇佐見 菫子:
調査が途中で終わっちゃったのは、
残念でしたけど……。
宇佐見 菫子:
好きなことを研究できて、面白かったです。
もう、次の授業が待ちきれません!
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寺子屋・教室
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宇佐見 菫子:
……っていう感じかな! どう?
楽しそうじゃない?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
いや、あんまりわかんないけど……。
紅 美鈴:
でも、好きなことなら熱中できるものよね。
私も昼寝の授業があれば、頑張れる気がするし。
上白沢 慧音:
たしかに、生徒の興味を授業に絡めれば、
勉強に関心を向けられそうだな。
東風谷 早苗:
じゃあ、次は私の番ですね。
どんな学校だったらいいかなぁ……。
東風谷 早苗:
あ、そうだ。友達と仲良く勉強できる
仕組みがあったら、楽しいかもしれません。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ああ、仲間がいるってのは、いいわよね。
励みにもなるし。
東風谷 早苗:
例えば女学校では、先輩が後輩とペアになって
学校での様々なことを教える伝統がありまして。
東風谷 早苗:
シスター制度というものなんですけど。
そのペアは、姉妹だなんて呼ばれるんですよ。
上白沢 慧音:
生徒同士で教え合う制度か。
詳しく聞かせてほしい。
東風谷 早苗:
では、設定はこんな感じで。ある由緒正しき
女学校で、姉妹となった二人の女学生。
東風谷 早苗:
ある日、二人は放課後の図書館で、
一緒にテスト勉強をしていました……。