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寺子屋・教室
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紅 美鈴:
さてさて、先生考案の新しい授業は、
どんなものになったのかねぇ。
宇佐見 菫子:
ねぇねぇ、どうする?
教室が、軍隊の訓練施設みたいになってたらさ。
東風谷 早苗:
あはは! もしかしたら、特攻服や
バイクとかが並んでるかもしれませんよ。
紅 美鈴:
さっそく、寺子屋に入って確かめてみましょ。
先生、お邪魔しまーす。
上白沢 慧音:
みんな、よく来てくれた。
さあ、好きな席に座ってくれ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あら?
寺子屋の様子は、いつもと変わらないわね。
上白沢 慧音:
全員座ったな。
では、これより特別授業を始める!
宇佐見 菫子:
はい、せんせー!
今日は、どんなことやるんですかー?
上白沢 慧音:
これから君たちに、問題用紙を配る。
それを解いていくのが、今日の授業だ。
東風谷 早苗:
え、それだけ? それじゃあ、
いつもの授業とあんまり変わらないんじゃ……。
宇佐見 菫子:
わっ、なにこの問題! 生徒をさらう
怪人のマントの色は何色? だって!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
桔梗湯を作る生薬の組み合わせを選べ……
専門的な内容ね。もしかしてこれって……。
上白沢 慧音:
いろんな問題を用意している。皆の興味が
ありそうなものから、なさそうなものまでな。
上白沢 慧音:
興味がある問題は、自分で。
わからない問題は、皆で教え合って解いてくれ。
上白沢 慧音:
それでも解けない問題は、教室に
ヒントを隠してあるから、探してみるといい。
紅 美鈴:
へえ……。生徒に自力でヒントを探させるとは。
なかなか興味深い試みですね。
上白沢 慧音:
うむ。頭と身体と、チームワークを使って、
最後まで取り組んでほしい。
上白沢 慧音:
全問正解でご褒美だが……。途中で諦めた者には
ものすっごく痛い、私の頭突きが待っているぞ!
紅 美鈴:
おおっ。それは強烈ね……。
上白沢 慧音:
では、チャイムが鳴ったら開始だ。
準備はいいな。
上白沢 慧音:
解答、はじめッ!
東風谷 早苗:
まずは、それぞれ解けそうな問題を
洗い出しましょう。私は、数学と科学ですね。
宇佐見 菫子:
オカルト問題は、私に任せて!
紅 美鈴:
武道の問題なら、私かなぁ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
私は、師匠仕込みの薬学の知識があるわ。
宇佐見 菫子:
よーし! 皆の知識を合わせて、
特別授業をクリアするわよ~!
紅 美鈴:
それじゃ、第一問。怪人のマントの色は、
という問題なんですけど……。
宇佐見 菫子:
ああ、これは、古い学校の都市伝説に、
怪人赤マントっていうのがあってね……。
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数時間後……
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宇佐見 菫子:
んー! めっちゃおいしい~!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ええ、本当に。全問正解のご褒美は、
美味しいお茶菓子だったのね。
上白沢 慧音:
皆、最後まで投げ出さずに
特別授業を受けてくれて、ありがとう。
上白沢 慧音:
で、その……、どうだった?
宇佐見 菫子:
座って問題解くだけじゃなくて楽しかったよ!
皆で教え合ったり、ヒントを探し回ったり……。
紅 美鈴:
そうね。得意分野以外の知識も、
知ることができて、面白かったわ。
東風谷 早苗:
これってつまり、前に言ってた、生徒同士で
教え合う仕組み……みたいなことですよね。
宇佐見 菫子:
あと頭突きもね! ギブアップを許さないなんて
まさに厳しい熱血教師って感じかも~。
紅 美鈴:
ちょうどいい緊張感がありましたよねー。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
これなら、きっと寺子屋の生徒たちも
楽しんで取り組んでくれるんじゃないかしら。
上白沢 慧音:
そうか、そうか……!
ありがとう! 皆、本当にありがとう!
上白沢 慧音:
おかげで自信が持てた。さっそく明日から、
子供たちにも受けさせてみるよ!