丁礼田 舞:
さてさて、今日は30日。
本日のお手伝いは~?
爾子田 里乃:
ええっと……、「餅つき」ですって!
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人間の里
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高麗野 あうん:
着きましたけど、この人だかりはいったい……?
霧雨 魔理沙:
おー! やっと来たか。
今日はよろしく頼むな!
丁礼田 舞:
おー! こっちこそ、よろしくねー!
……ところで、この人の多さはお祭りか何か?
霧雨 魔理沙:
なんだ、聞いてなかったのか?
今日は餅つき大会なんだよ。
霧雨 魔理沙:
つき手と合いの手の二人で餅をついて、
制限時間内に一番多くの餅をつけば優勝なんだ。
霧雨 魔理沙:
優勝賞品は、餅一年分!
絶対に勝ってみせるぜ!
丁礼田 舞:
へぇ~。なんだか面白そう!
しかも、勝てばお餅がもらえるなんて最高だね。
霧雨 魔理沙:
だろ? でも、これが意外とシビアなんだよなあ。
つき手と合いの手の息を合わせるのは難しいし。
爾子田 里乃:
ふふん。そんなの、私と舞にかかれば楽勝よ!
というわけで、私は舞と組むわね。
高麗野 あうん:
それじゃあ、私は魔理沙さんとですね!
よろしくお願いします。
霧雨 魔理沙:
大丈夫かなぁ……。まぁでも、
舞と里乃は連携取れそうだし、やらせてみるか。
霧雨 魔理沙:
よしっ! 始まった!
霧雨 魔理沙:
よいしょー! あ、それーい!
あうん、もう少し速く返せないか?
高麗野 あうん:
すみません! わかってはいるんですけど、
杵に手をつかれると思うと怖くて……。
爾子田 里乃:
ちょっと舞、もう少しゆっくりついてよ!
速すぎてお餅が返せないじゃん!
丁礼田 舞:
そんなこと言ったって、難しいんだよ!
里乃がもっと素早く返せばいいでしょ!
霧雨 魔理沙:
あっちもうまく連携が取れてないみたいだな。
このままじゃ、優勝は難しいか……。
丁礼田 舞:
そうだ! ねぇ、里乃。
ちょっと僕たちの後ろで踊っててよ。
爾子田 里乃:
あ、そっか! その手があったわね!
よ~し、私に任せておいて!
丁礼田 舞:
魔理沙、僕とあうんが餅をつくから、
二人分の合いの手をしてくれる?
霧雨 魔理沙:
はぁ~? おいおい、ふざけてる場合か?
そんなことして、勝てるわけがないだろ。
丁礼田 舞:
まあまあ。絶対優勝できるって約束するよ。
じゃあ、いくよー! よいしょー!
霧雨 魔理沙:
……しょうがない。こうなりゃヤケだ!
ほいっ!
高麗野 あうん:
よいしょーっ!
霧雨 魔理沙:
はいはいっと!
……お、おおお!?
霧雨 魔理沙:
すごいぞ! なんでかわかんないけど、
二人のタイミングが手に取るようにわかるぜ!
丁礼田 舞:
うまくいってるね! 里乃が後ろで踊って、
僕たちの精神力を引き出してるんだよ。
霧雨 魔理沙:
そうか、それで集中力が増して……。
よっしゃー! このまま一気にいくぞー!
摩多羅 隠岐奈:
人間の祝い事には、縁起物である餅が欠かせない。
それは新年でも同じこと。
摩多羅 隠岐奈:
年末に餅をつき、鏡餅を作って神に捧げる。
そうして来年の幸せを祈願するのだ。
霧雨 魔理沙:
やった~!! 優勝だ!
爾子田 里乃:
私たちが手伝ったんだから、これくらい当然よ。
高麗野 あうん:
今回も無事に、お手伝い完了ですね!
魔理沙さん、それでは私たちはこれで。
霧雨 魔理沙:
さ~て、とりあえず正月に向けて
雑煮の準備でもしようかな~。
摩多羅 隠岐奈:
優勝おめでとう。見事な餅つきだった。
霧雨 魔理沙:
おお、来てたのか。どうもな。
お前が、あの二童子を貸してくれたおかげだよ。
摩多羅 隠岐奈:
フフ、それは何より。ところで、
ひとつ相談したいことがあってね……。
摩多羅 隠岐奈:
魔理沙、舞と里乃の後継者になる気はない?
霧雨 魔理沙:
なんだよ、またその話か?
残念だけど、他を当たってくれ。
摩多羅 隠岐奈:
なんだ、そっけないな。
今回優勝できたのは誰のおかげだっけ?
霧雨 魔理沙:
……は?
摩多羅 隠岐奈:
今日の餅つき大会で優勝できたのは、
舞と里乃のおかげ。借りは返してほしいね。
霧雨 魔理沙:
借りって、そんな話聞いてないぞ。
まあ、世話になったことは事実だけど……。
摩多羅 隠岐奈:
後継者が嫌なら取引をしよう。守矢の巫女と
吸血鬼のメイドにも持ちかけているのだが……。
霧雨 魔理沙:
ふむふむ……? まあ、それくらいなら、
引き受けてやってもいいけどさあ。
摩多羅 隠岐奈:
ありがとう。
じゃ、取引成立ということで、よろしく。