-------------- 命蓮寺ランド・入口 -------------- フランドール・スカーレット: 戻ったわよ。 寅丸 星: おかえりなさい。どうでした? 聖には、無事に会えましたか? フランドール・スカーレット: あんたの名前を出したら、すんなり会えたわよ。 で、聞いてきた話だけど……。 聖 白蓮: え? 赤い賽子、ですか? なぜ、貴方がそれを……。 フランドール・スカーレット: ちょっとした、風の噂でね。 なかなか大した逸品らしいって。 フランドール・スカーレット: ぜひ一度見てみたいのよね~。 どこにあるの? カジノの金庫とか? 聖 白蓮: あの賽子……尽未来賽じんみらいさいなら、常に私の手元に。 奪おうなどとは、考えないことですね。 村紗 水蜜: なるほど……。それじゃ、 こっそり盗み出す作戦は、ダメそうですね。 フランドール・スカーレット: なんとかして手放させるしかなさそうだけど、 ……あの作戦でいく? ナズーリン: うん、それしかないと思う。 いいですか? ご主人様。 寅丸 星: ええ……行きましょうか。 聖 白蓮: ああ、星! どこに行っていたの? さ、あちらのテーブルについて……。 寅丸 星: ……聖。 毘沙門天びしゃもんてんの化身として、申し渡します。 寅丸 星: 命蓮寺ランドを、今すぐ廃業しましょう。 聖 白蓮: ……え? そんな、急にどうして? 今まで協力してくれていたじゃありませんか。 寅丸 星: それは、貴方の真意を見極めるため。 けれど、もう見過ごせません。 寅丸 星: 貴方のやり方では、 犠牲となるものが多すぎます。 聖 白蓮: 何を言われようとも、私はあきらめません。 この道で、一切衆生いっさいしゅじょう救済を成し遂げるのです。 聖 白蓮: それでも私を止めるのなら、賭博で勝負なさい。 でなければ、話は聞きません。 寅丸 星: ……どうやら、意志は固いようですね。 寅丸 星: いいでしょう。しかし、相手は私ではなく……。 ナズーリン来なさい。あなたに任せます。 ナズーリン: かしこまりました、ご主人様。 ナズーリン: では、賭けるものは何にしましょうか。 これほどの大一番、生半可なものでは……。 ナズーリン: こちらは……そうだな。ご主人様の宝塔を 借りても良いだろうか? 寅丸 星: ……いいでしょう。ただし、あれを差し出す以上、 カジノ廃業だけでは、到底足りません。 寅丸 星: そちらには、何か上乗せしてもらいましょう。 たとえば……、後生大事に抱えている法具とか。 聖 白蓮: ……尽未来賽じんみらいさいのこと、ですね。 聖 白蓮: 伝説の博徒が使っていたといわれる、 持つ者に無尽蔵の幸運を与える賽子……。 聖 白蓮: 確かに、これならば星の宝塔と比べても 見劣りしないでしょう。 ナズーリン: じゃあ、それで決まりだ。 さっそく真剣勝負を始めましょう。 寅丸 星: ……あとは任せましたよ、ナズーリン。