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紅魔ステージ
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レミリア・スカーレット:
フラン!!
フランドール・スカーレット:
お、お姉様!? それに咲夜も?
まだ勝負の途中なのに、助けるなんて……。
レミリア・スカーレット:
なに言ってるの。
妹がピンチのときに助けるのは、当然でしょ。
フランドール・スカーレット:
お姉様……。
十六夜 咲夜:
大切な妹様をお守りするのは、
メイドとしても当然ですわ。
レミリア・スカーレット:
……ほんとに馬鹿なことしたわね。
さっき食べたチョコ、すごく苦かったでしょ?
フランドール・スカーレット:
う、うん。びっくりして固まっちゃうくらい。
なんで、わかるの?
レミリア・スカーレット:
あの魔法チョコの味は、感情の質で決まるの。
楽しい感情からじゃないと、甘くならない。
レミリア・スカーレット:
パチェのチョコは味にムラがあったから、
念の為に調べておいたのよ。
フランドール・スカーレット:
え~!? ずるい! そんなの知らなかった!
じゃあ、美味しいチョコ食べられないじゃない!
レミリア・スカーレット:
ふふ、これも姉の偉大さよ。……それに、
美味しいチョコになるのは、これからじゃない?
フランドール・スカーレット:
え、それってどういう……?
レミリア・スカーレット:
まずは、すぐに術を止めなさい!
あの怪獣、どこまでも巨大化するわよ。
フランドール・スカーレット:
う、うん! チョコの吸収は止まったわ。
でも、できちゃった怪獣は、このままみたい。
レミリア・スカーレット:
それは、むしろ好都合。フラン、咲夜、美鈴!
みんなで、こいつを倒すわよ!
レミリア・スカーレット:
とびっきり、派手に優雅に美しく。
最高のショーになるように……ねっ!
紅 美鈴:
そういうことですか!
仰せのままに……っと!
十六夜 咲夜:
今度のナイフは……本物よっ!
観客A:
お、おお!? 何か始まったぞ!
もしかして、そういう筋書きだったのか?
観客B:
お姉ちゃんたち、強~い!
怪獣が、どんどんやられていってる!
依神 女苑:
チョコレートボルテージ……ちょっ!
メーター振り切ってる! 測定不能!?
紅 美鈴:
はあっ! 喰らいなさい!
フランドール・スカーレット:
きゅっとして……ドカーン!
観客B:
行け~! がんばれ、お姉ちゃんたち!
チョコ怪獣、やっつけちゃえ!
レミリア・スカーレット:
大盛り上がりね。
恐怖とスペクタクルは、表裏一体ってこと!
レミリア・スカーレット:
フラン! 最後の一撃、決めるわよ!
フランドール・スカーレット:
うん、お姉様! ……一緒に!
レミリア&フランドール:
紅魔符『ブラッディカタストロフ』!!!
紅 美鈴:
や、やったぁ!!
十六夜 咲夜:
……お見事ですわ。お嬢様、妹様。
観客A:
いやぁ、ものすごい臨場感だったな。
途中のあれも演出だったなんて、感激だよ。
観客B:
ドキドキした~! すっごくハラハラしたけど、
お姉ちゃんたち、かっこよかった~!
レミリア・スカーレット:
ほら、フラン。今の戦いでできたチョコよ。
どんな味がするかしら?
フランドール・スカーレット:
……っ、あっ、
すごく、甘くて美味しい……!
レミリア・スカーレット:
よかった。みんなで掴んだ、勝利の味ね。
じっくり味わいましょ。
依神 女苑:
……はあ、こんなつまんないことになるなんて。
付き合ってらんない。
依神 女苑:
ちょっ!? 頭上からチョコレートが!?
こんな財の集め方、求めてないってば!
依神 女苑:
いいわ。収穫は、もう得たもの。
巻き上げた金持って、さっさと逃げ……。
紅 美鈴:
待ちなさい! 好き勝手に館を引っ掻き回して、
逃げ切れるとでも思ってるの?
紅 美鈴:
ひとつ間違えば、大変だったんだからね!
そのお金も、今回の費用にあてさせてもらうわ。
依神 女苑:
はあー!? これは私のだってば!
なんで取り上げられなきゃいけないのよ!
紅 美鈴:
問答無用! 抵抗する気なら、容赦しないわ!
紅魔館に仇なす者は、懲らしめなくちゃ!
依神 女苑:
うう……これじゃ、あんまりだわ。
財が手に入らなかったうえに、あんな……
依神 女苑:
……あんな姉妹円満の、糧にされるなんて!
私には、貧乏神の姉さんしかいないのに……。
紅 美鈴:
ふう、追い出せてよかった。そういえばあの人、
来た時も自分のお姉さんの話してたな。
紅 美鈴:
姉妹仲に、何か思うところでもあったのかなぁ?
フランドール・スカーレット:
美鈴~、そんなとこで何してるの?
こっち来て一緒にチョコ食べなよ。美味しいよ?
紅 美鈴:
あっ、はーい! いま行きます!