-------------- 紅魔館 -------------- 紅美鈴：改造したステージの解体、やっと終わり～。紅魔館、これで通常運転ですね。フランドール・スカーレット：そうね。あとは残りの、コレさえなんとかすれば……。レミリア・スカーレット：はあ、傑作だわ。まさか、そもそも勘違いだったなんてね……。フランドール・スカーレット：あ、お姉様に咲夜。どうしたの？　そんな顔で。こっちの片づけは、ほとんど終わったよ。十六夜咲夜：パチュリー様が、ようやく目を覚ましたんですよ。出歩くのは、まだ負担が大きいようですが。紅美鈴：ああ、それはよかったです！ ……でも、勘違いって？レミリア・スカーレット：フランとチョコ対決したって言ったら、バレンタインは、そんなイベントじゃないって。フランドール・スカーレット：ええ～、そうなの！？　外の世界にも、破壊的なバトルがあるんだと思ったのに！十六夜咲夜：流し読みのいい加減な知識でテキトーなことするなと、怒られてしまいました。紅美鈴：まあ結局、勝負はつきませんでしたけどね。ボルテージ測定器も、壊れちゃいましたし。レミリア・スカーレット：怪獣バトルのチョコ、桁違いだったものね。それに、群を抜く美味しさだったわ。十六夜咲夜：でも、バレンタインというのは本来、チョコを贈り合って絆を確かめる行事らしいですよ？紅美鈴：じゃあ、私たちのバレンタインも、そうなったかもしれないですね！フランドール・スカーレット：ちょっと！　恥ずかしいこと言わないでよ！まだ最後の片づけも終わってないんだから！フランドール・スカーレット： ……どうするの、この大量のチョコ。私たちだけじゃ、絶対食べきれないよ。紅美鈴：そう、これがあるんですよねえ……。十六夜咲夜：観客の皆様のお土産にしたのに、まだこんなに残っていますね。レミリア・スカーレット：そうだわ。みんなで調理しましょう。それで、できあがったら……。紅美鈴：ほんとにすごい量ですね～。確かにこれは、幻想郷中にお裾分けするしかないかも。十六夜咲夜：ええと、ケーキにしてしまうのも、ありかしら。小麦粉と卵は、っと……。レミリア・スカーレット：これ、型抜きしたら面白そう！クッキーなんか作ってもいいわね。フランドール・スカーレット：お姉様、見て見て！怪獣型のチョコ！　強そうじゃない？レミリア・スカーレット：あなた、懲りてないわね……。そもそもあれ、なんで怪獣だったの？フランドール・スカーレット：あの疫病神が、とにかく大きな恐怖を掻き立てて、めちゃくちゃなステージにしようって言ったの。フランドール・スカーレット：だから、人間たちにもわかりやすい、強～い恐怖の存在がいいと思ったのよ！レミリア・スカーレット：まったく……。そういえば、あの疫病神、いつの間にか消えてたわね。どうしたのかしら？フランドール・スカーレット：終わったことは、どうでもいいじゃない。この怪獣くんは、甘くて美味しいよ？　がお～！レミリア・スカーレット：ふふ、それもそうね。私も何か面白い形を工夫しましょ。ええと、弾幕型チョコとか……？紅美鈴： ……ふふ。一時は、どうなることやらと思ったけど……。フランドール・スカーレット： ……お姉様、ずっと言えてなかったけど、お茶会の時、お菓子全部食べちゃって、ごめんね。レミリア・スカーレット：いいのよ。私のほうこそ、パチェの部屋でチョコを独り占めしちゃったもの。それに…… レミリア・スカーレット：もう、そんなの気にならないくらい、たくさんのものをもらっちゃったからね。フランドール・スカーレット：お姉様……。レミリア・スカーレット：幻想郷中をまわって、館に戻ったら、みんなでお茶会にしましょう。レミリア・スカーレット：うやむやになっちゃったから、仕切り直しよ。今度は、パチェも呼んで。フランドール・スカーレット： ……うんっ！　すっごく楽しみ！十六夜咲夜： ……すっかり、仲良し姉妹ね。紅美鈴：ええ。勝負を通じて思いっきりぶつかり合って、よかったのかもしれませんね。十六夜咲夜：吸血鬼なのに、雨降って地固まったみたい。バレンタインに、感謝しなくては。紅美鈴：あっ、そうだ！　お裾分けする時、幻想郷のみんなにも教えてあげましょうよ！十六夜咲夜：教えるって、何を？レミリア・スカーレット：あら。恐怖のビターチョコも、甘いのと混ぜると、いいアクセントになるのね。レミリア・スカーレット：フラン、こっち来て。あーん。フランドール・スカーレット：あーん。……わあっ！　美味しい！いい感じに甘さが引き立ってるね。紅美鈴： ……バレンタインは、大切な相手にチョコを贈る、素敵なイベントだって！