-------------- 人間の里 -------------- 里のカップルＡ： 私はここで待ってるわね。 貴方の選ぶチョコ、楽しみにしてるわ。 里のカップルＢ： とびっきりのお返し、期待しててくれよ。 それじゃ、すぐに買って戻るから。 水橋 パルスィ： 仲良しのカップルね。シンプルに妬ましいわ。 Ｊジョー、準備はいいかしら？ 依神 女苑： もちろんよ、Ｐプリンセス。 さあ、チョコレート怪盗団の初仕事ね！ 里のカップルB： ふ～ん。チョコっていろんな種類があるんだな。 いちばん喜んでくれそうなのは、どれだろう？ 依神 女苑： 楽しそうに選んでくれちゃって。 そら、存分に散財しなさい！ 里のカップルB： そうだ！　迷うくらいなら、全部買おう！ ここにあるチョコ、端から端までください！ 里のカップルB： お～い。お待たせ！ お返しのチョコ、やっと買えたよ。 里のカップルＡ： えっ！？　こんなにたくさん……？ 水橋 パルスィ： 作戦通りね。 よし。ここで嫉妬心を増やして、っと。 里のカップルＡ： ちょっと！　そんな大量のチョコレート、 いったい誰に配るつもりなの！？ 里のカップルB： 誤解だよ！ これは全部、きみのために買ったもので……。 依神 女苑： 喧嘩に夢中で、チョコがガラ空きね。 ……今よ！ 里のカップルB： ああっ！　チョコレートが！ 水橋 パルスィ： 貴方の言ったとおりね。 私たちの力、相性がいいみたい。 里のカップルB： な、なんだ、お前たちは！ 水橋 パルスィ： ふっ。聞かれたからには、答えてあげる。 私は華麗なる反逆者、チョコレート怪盗・Ｐプリンセス！ 依神 女苑： この名を胸に刻みなさい。 私は運命に抗う者、チョコレート怪盗・Ｊジョー！ 二人： 我ら、チョコレート怪盗団！ バレンタインに浮かれる者たちに裁きを！ 里のカップルＡ： チョ、チョコレート怪盗団っ！？ なんて愉快そうな子たちなの……。 依神 女苑： あーはっはっは！　幻想郷中から、 チョコを盗みまくってやったわ！ 水橋 パルスィ： どいつもこいつも、簡単に隙を見せる。 私たちにかかれば、盗めないチョコはないわ。 依神 女苑： 霊夢と魔理沙は本気でチョコを奪い合ってたし、 白玉楼では、亡霊の姫がチョコを爆買い。 水橋 パルスィ： 守矢神社には、巫女の手作りチョコを求めて 参拝客が集まりすぎて大混乱。 依神 女苑： 簡単に盗めすぎて、 チョコの隠し場所に困るくらいね。 水橋 パルスィ： それなら、私のねぐらで預かるわ。 場所を知ってるやつは、ほとんどいないもの。 依神 女苑： そりゃいいわね。 私は、次のターゲットでも見繕っておくわ。 水橋 パルスィ： じゃ、１時間後にまたここで。 依神 女苑： ……さて、次は誰から盗んだものかしら。 数は盗んだけど、満足にはほど遠いのよね。 依神 女苑： もっと一気に集められないかしら？ あーあ。姉さんが手伝ってくれたら……。 依神 女苑： ん？　なんだろう、このチラシ……。 水橋 パルスィ： 待たせたわね。 次の標的は決まったかしら？ 依神 女苑： 永遠亭の『幻想郷バレンタイン展』を狙うわ。 珍しいチョコが、いくつも展示されてるそうよ。 水橋 パルスィ： いいわね。 チョコを根こそぎ、頂いちゃいましょう。 依神 女苑： これだけデカいイベントを荒らせば、 こっちの方が楽しいって、姉さんも気づく……。 水橋 パルスィ： 姉さん……？ 水橋 パルスィ： 貴方、姉を振り向かせたくて、 チョコレート怪盗をやってたの？ 依神 女苑： ち、違うわよ！　手駒として引き込めたら、 便利だなって思っただけよ。 水橋 パルスィ： なら、いいわ。 さっさとバレンタイン展に行きましょう。 依神 女苑： そうよ……。役立たずの姉さんなんて、 手駒にするくらいでちょうどいいのよ……。