--------------
人間の里
--------------
稀神 サグメ:
ユメミタマを浄化したら、
店は荒れ果て、店員が倒れた……。
多々良 小傘:
もしかして、さっきのキレイなお店は、
ユメミタマが作った偽物だったとか?
稀神 サグメ:
わからないけれど、その可能性はあるわ。
でも、なぜ、こんなにも荒れ果てている……?
クラウンピース:
あっ! あれ見て!
ユメミタマが、またお店に集まってきた!
稀神 サグメ:
浄化する前と、同じ外見の建物になったわね。
……やはり、どこか月の都のものと似ているわ。
チルノ:
しつこいなぁ!
何回だって浄化してやる! 行くぞー!
チルノ:
むー、浄化してもしても、すぐに集まってくる。
これじゃキリがない……。
多々良 小傘:
いつの間にか、店員さんの姿も消えちゃったし、
なんかこれ……、やばいんじゃないの?
稀神 サグメ:
……おそらく、ユメミタマは付喪神に限らず
人や建物さえも隠している、のでしょう。
稀神 サグメ:
もしかしたら、これまで付喪神が消えた場所でも
同じことが起きているかもしれないわ。
稀神 サグメ:
もう一度、浄化をやり直しに行きましょう。
人が隠されてしまったのなら、助ける必要があるでしょう。
クラウンピース:
な、なんか、オオゴトになってきた!?
急ごう!
チルノ:
うおー! ここは浄化したぞ!
次はどこだー!
多々良 小傘:
ひえー! 人を逃がしても、
ユメミタマが追いかけてくるよー!
稀神 サグメ:
次のユメミタマが来るまでの間隔が
どんどん短くなってきているようね……。
クラウンピース:
だめだ……。何人かは助けられたけど、
やっぱりユメミタマはキリがないや。
多々良 小傘:
せっかく助けた付喪神も、
どんどん隠されちゃうし。迷惑だなぁ、もう!
稀神 サグメ:
(ここまでユメミタマが隠してきたのは、
私が寄った所や、その周辺にあった物ばかり)
稀神 サグメ:
(そうして、ユメミタマを浄化すると、
傷んだ建物や、やつれた人間が現れる……)
稀神 サグメ:
(まさか……。私の能力は生きていて、
導かれた結果を、ユメミタマが隠していた?)
稀神 サグメ:
(だとしたら、あのひどい状態は、
私のせいで……!?)
チルノ:
その顔、大丈夫? 氷みたいに真っ白だよ?
稀神 サグメ:
……ありがとう、でも大丈夫。
それより、浄化を続けないと。
クラウンピース:
うわっ!? みんなアレ見て!
ユメミタマの大群が集まってきてる!
多々良 小傘:
た、大変! 付喪神のみんなを守らないと!
どうしよう。手分けする!?
チルノ:
いくらあたいが最強でも、
あんな数は手に負えないよー!?
クラウンピース:
わわっ、すっかり里を覆っちゃったぞ!
なんでこんな集まってきたんだ!?
村紗 水蜜:
それは、原因が里にあるからですよ。
村紗 水蜜:
ようやく見つけましたよ、サグメさん。
研究は捗りましたか?
稀神 サグメ:
見つけた……って、急になに?
貴方、この状況について何か知っているの?
村紗 水蜜:
ええ、知っていますよ。
里を覆うユメミタマ……、その原因が貴方だと!