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守矢神社
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洩矢 諏訪子:
四本目の柱が建てば、神域は私のものになる!
守矢神社があるべき姿に戻るのよ!
八坂 神奈子:
くっ……。ダンマクカグラで
ユメミタマを浄化しようにも、隙がない……!
洩矢 諏訪子:
あら。何を企んでるのか知らないけど、
そんな余裕、あんたにはないわよ!
八坂 神奈子:
ちっ……あの頃より強くなっているか。
だが、私も……はぁぁぁっ!
洩矢 諏訪子:
くっ……、風が!
柱の上を、伐り飛ばされた!?
洩矢 諏訪子:
やるじゃない、神奈子。正面から戦うのは
久しぶりだけど、腕は落ちてないみたい、ねっ!
八坂 神奈子:
ぐうっ! ……諏訪子もね。
相変わらずの身のこなし、見事なものだ。
洩矢 諏訪子:
あはは、ありがと!
やっぱり神奈子と戦うのは、面白いね。
八坂 神奈子:
ええ……、本当に。こうして
またおまえと戦えたのは、嬉しい誤算だったよ。
八坂 神奈子:
それにしても、諏訪子、その力は何?
ずいぶん強大な力をまとっているようだけど?
洩矢 諏訪子:
そりゃあそうよ。だって私が曳いてるこの柱は、
ユグドラシルから切り出したものだからね。
八坂 神奈子:
ユグドラシル……世界樹と呼ばれる聖木か。
どうりで苦戦するわけだ。
洩矢 諏訪子:
樹木と大地は相性がよいからね。私なら、
その力を十分に引き出せるのよ! はああっ!
八坂 神奈子:
かはっ……ぐっ……。
洩矢 諏訪子:
あんたは、そこで寝てるといいよ。
さて、それじゃあ最後の柱を建てましょう。
洩矢 諏訪子:
私の力を込めた柱をこの台座に建てれば、
柱の持つ力が一気に流れ込み、神域を塗り替える。
洩矢 諏訪子:
さあ……、ここに四柱が揃ったわ!
これで数千年の悲願が叶う!
洩矢 諏訪子:
守矢の王国が、ようやく私の元に……え?
なに、台座が光って……!
八坂 神奈子:
……よかった。
私の罠は、無事に発動した。
八坂 神奈子:
神社に戻った時に、怪しげな台座を
見つけたものだから、手を加えておいたんだよ。
八坂 神奈子:
術が反転するように……つまり、
神社の魔力が、逆に柱に流れ込むようにね。
洩矢 諏訪子:
なっ……、世界樹に力が逆流していく!
このままでは、限界を超えて……!
洩矢 諏訪子:
あ、ああ……!
私の御柱が、真っ二つに……。
洩矢 諏訪子:
私はまた……、あんたに負けるのね。
八坂 神奈子:
……私は、楽しかったよ。
諏訪子と全力で戦えて。
東風谷 早苗:
神奈子様! 柱を曳いてた人たちに
ダンマクカグラをして……、あれっ?
東風谷 早苗:
す、諏訪子様?
この状況は、いったい?
八坂 神奈子:
ちょうどいいところに来たね、早苗。
さあ、ダンマクカグラを始めましょう!
東風谷 早苗:
は、はい! わかりました!
洩矢 諏訪子:
ああ、私の王国が、私の神社が……。
元々はすべて、私のものだったのに……。
東風谷 早苗:
あれ、なんか今……。
ユメミタマ、ふたつ浄化しましたよね。
八坂 神奈子:
そのようね。……見て。
四本の柱が、すべて消えていく。
東風谷 早苗:
わあ、本当だ! よかったです。……ん?
そこの折れてた柱、なんか姿が変わって……
東風谷 早苗:
これ、樅の木ですね。
しかも、御柱に使う予定だったやつですよ!
八坂 神奈子:
これが、元の姿だったんでしょう。
そういえば、見つけてきたのは諏訪子だったわね。
東風谷 早苗:
ということは、もしかしてユメミタマは、
御柱と諏訪子様の両方に憑いていた……?
洩矢 諏訪子:
んん……、なんか体が痛い……。うん?
どうしたのふたりとも、そんな顔をして。
東風谷 早苗:
諏訪子様! 目が覚めたんですね。
よかった、心配してたんですよ~!
八坂 神奈子:
それじゃあ、御柱祭の準備を再開しましょうか。
諏訪子、おまえには雑用を色々やってもらうわよ。
洩矢 諏訪子:
えっ、なに!?
いったい何があったのよー!?