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スポーツ大会会場
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古明地 さとり:
これより、『旧地獄陸上競技大会』を開催します。
全五種目、全員フェアプレイで頑張ってね。
古明地 こいし:
種目ごとに通過できる人数が決まってて、
優勝したら温泉入浴券がもらえるよ! がんばれー!
古明地 さとり:
最後に、私たち家族の私的理由にもかかわらず、
旧都のスペースを提供してくれた方々に感謝を。
霊烏路 空:
いよいよ本番だよ! がんばろうね、お燐!
火焔猫 燐:
頑張るって、ただの運動目的でしょ?
なんでこんな大掛かりに……。
射命丸 文:
まあ、そう言わずに。面白いネタですよ?
いい画、期待してますからね!
火焔猫 燐:
その言い方……。お姉さん、
さとり様に何か吹き込んでないかい?
射命丸 文:
いやいや、利害が一致しただけですよ。
今日は選手目線での取材をするので、お手柔らかに!
二ッ岩 マミゾウ:
なんでもありの競技とは、旧地獄らしい。
気を引き締めないといかんな。のう、妹紅殿?
藤原 妹紅:
狸の旦那に呼ばれたと思えば、動物ばかりだな。
私は一応人間だけど、参加していいのか?
二ッ岩 マミゾウ:
なんでもありなら、誰が出ても問題なかろう?
それに、面倒見もよさそうじゃからな。
藤原 妹紅:
それは、競技に関係あるのか?
まあ、やるからには真面目にやるよ。
二ッ岩 マミゾウ:
そういうことじゃよ。さて、第一種目は、
走り幅跳びか。まずは見物じゃな。
霊烏路 空:
幅跳びって、遠くに飛べばいいんでしょ?
そんなの簡単だよ! 翼で飛べばいいんだ!
古明地 さとり:
ちなみに、翼で飛ぶのは禁止です。
ただし、滑空は認めます。
霊烏路 空:
ええー!? ダメなんですか!?
古明地 さとり:
それからもう一つ、能力の使用ですが、
踏切線の前まで可能とします。
射命丸 文:
まあ、じゃないと私たちみたいな、
翼持ち以外に勝ち目がないですもんね。
古明地 さとり:
他に禁止事項はありません。一人二回飛んで、
いい方を記録に。上位者が、次の競技へ進出よ。
古明地 こいし:
ルール違反はファールとして、記録は無効!
じゃあ、フェアプレイで頑張ってねー!
霊烏路 空:
うーん、羽を使わないで飛ぶ……。
どうやって?
射命丸 文:
翼がダメなら、風を使えばいいんですよ。
……こんな感じで!
古明地 こいし:
えー、ただいまの記録は……51メートル!
いきなりすごーい!
射命丸 文:
取材のためにも負けてられないので、
しっかり風も利用させていただきました。
火焔猫 燐:
そういうことなら、
普通に飛んでも行けそうだね。よっと!
火焔猫 燐:
まあ、これくらい余裕だね。
この記録なら、一回戦突破は確実っと。
古明地 こいし:
ただいまの記録、15メートル!
一位とは差があるけど、いい記録!
古明地 さとり:
みんな、しっかり運動してるわね。
開催してよかったわ。
古明地 さとり:
あと心配なのは、運動が苦手だったり、
うまく動けない子たちなんだけど……。
霊烏路 空:
うーん、羽を使わないで飛ぶの、難しいな。
このままだと、第一種目で敗退しちゃう……。
二ッ岩 マミゾウ:
おや、もうあきらめるのか?
まだまだ、力が有り余っているように見えるが?
霊烏路 空:
でも、翼は使えないし、飛び方もわかんないし、
もうどうしたらいいのか……。
二ッ岩 マミゾウ:
なるほどな。儂にも正しい飛び方はわからんよ。
でもな、やりようはいくらでもある。
霊烏路 空:
うわ!? 足がバネになっちゃった!
二ッ岩 マミゾウ:
自分の持ってる能力は使わんとな。
儂はこうやって、遠くに飛ぶつもりじゃ。
二ッ岩 マミゾウ:
お前さんも、飛び出す力はあるはずじゃよ。
爆発するくらい、熱い力がな。ま、頑張れ。
霊烏路 空:
飛び出す? 爆発するくらい、熱い力……?
あっ、そっか! 核融合!
霊烏路 空:
よーし、核融合開始!
出力全開、方向よし。……発射ぁ!
霊烏路 空:
やった! 飛び出せた!
でもこれ、どうやって着地しよう?
二ッ岩 マミゾウ:
おお、やればできるじゃないか。
他人の成長を見るのは、いいもんじゃな。
射命丸 文:
うーん、出場したかいがありました!
こういう派手な画が、間近で撮れる!
古明地 こいし:
うわー! お空が、すごい吹っ飛んだ!
記録も100メートル! 一位になったよ!
古明地 さとり:
あの子にとっては、運動でいいのかしら?
ケガしてないといいのだけど……。
火焔猫 燐:
相変わらず、やることが派手だなぁ。
でも、よかった。お互い第一種目は突破だ。
霊烏路 空:
いてて……。あっ、私が一位になってる!
やったよ、お燐! さとり様! こいし様ー!
霊烏路 空:
よし! この調子で、他の競技も全部
核融合の力でクリアするぞ!