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走行競技用会場
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古明地 こいし:
位置について……。
よーい、ドン!
燐・マミゾウ:
うおおおおおっ!!
古明地 さとり:
第四種目は、短距離走よ。
フライング以外、禁止はありません。
古明地 さとり:
各組五人、二組に分かれて走ってもらい、
一位になった二人が最終種目に進めます。
古明地 こいし:
能力使って、何がなんでもトップになるんだ!
みんなー! がんばってねー!
二ッ岩 マミゾウ:
……さっきは、いい記録じゃったな。
吹っ切れたようで、なにより。
火焔猫 燐:
おかげさまでね。だから悪いけど、
ここからは能力全開でやらせてもらうよ!
火焔猫 燐:
先手必勝! 怨霊たち、他の選手を邪魔しな!
誰も前に行かせるんじゃないよ!
二ッ岩 マミゾウ:
くくっ……、いいのう。
その方が、儂も気持ちが入るってもんじゃ。
火焔猫 燐:
これであたいの勝ち、だぁ!?
じ、地面が沈む……!?
二ッ岩 マミゾウ:
気をつけて走らないと、転んでしまうぞ?
地面を柔らかい材質に変化させたからのう。
火焔猫 燐:
いったい、どこまで変化できるんだ!?
でも、走れないほどじゃあ、ない!
古明地 こいし:
すごーい! お燐と狸さんの一騎打ちだ!
障害物競争みたいで面白そう!
古明地 さとり:
こういう展開は盛り上がるし、
運動にもなって、いいわよね。
二ッ岩 マミゾウ:
このままリードを保てば、儂の勝ちよ。
しかし、この怨霊の量。油断はできんか。
怨霊:
オオオ……コッチヘ……。
二ッ岩 マミゾウ:
む、しっぽを掴まれたか!
じゃが、一匹だけなら脅威には……!
火焔猫 燐:
脅威にならなくても、一瞬でいい!
止まれば追い抜ける!
二ッ岩 マミゾウ:
なんと! 柔らか地面をもう突破したか!
敵ながら、やりおる!
火焔猫 燐:
悪いね、お姉さん!
あたいは、ここで負けてらんないのさ!
古明地 こいし:
ゴール! 一位はお燐! おめでとう!
あと狸さん、私にも沈むヤツやって!
火焔猫 燐:
よし、これで最終種目には残れた!
あとは、お空が残ってくれれば……。
二ッ岩 マミゾウ:
いやー、負けたよ。してやられた。じゃが、
いい目になったな。闘志がはっきり見える。
古明地 さとり:
いい勝負をありがとう。コースは元に戻してね。
では、二組目は準備をして、位置について。
射命丸 文:
この面子……。
勝負は一瞬、って感じじゃないですか?
藤原 妹紅:
そうだな。誰が最短で最大速度を出せるか。
こういう勝負も、嫌いじゃないよ。
霊烏路 空:
これは、とにかく前に出ればいいんだよね。
だったら、後ろに向かって最大火力だ!
古明地 こいし:
みんな、位置についたー?
それじゃあ行くよ! よーい……。
射命丸 文:
選手目線で取材してきて、わかりました。
この場にいると、不思議と勝ちたくなる……!
藤原 妹紅:
誘われて来ただけだが、ここまで残ったんだ。
優勝して帰る……!
霊烏路 空:
核融合開始。出力最大……!
あとはスタートの合図を、ちゃんと聞く!
古明地 こいし:
……ドン!
古明地 こいし:
うひゃあ!? 大爆発した、ってもうゴール!?
ちょっと待ってて。順位確認しまーす!
射命丸 文:
思った通り、判定になりますよね。
今の大爆発、撮りたかったなー。
藤原 妹紅:
あちち……。爆風で、少し手が焦げた。
あれ? あいつは?
霊烏路 空:
んー、地面から抜けない!
飛ばしすぎて、止まるの忘れた……。
古明地 こいし:
順位が出たよ!
一位は……、お空だー! おめでとー!
霊烏路 空:
抜けた! ……あれ? 私、勝ってる!
やったー! 最後の種目に残れたんだ!
射命丸 文:
そんな気はしてたんですが……、参りましたね。
僅差でしたが、空さんの勝ちです。
藤原 妹紅:
ゴール後に止まる、なんて考えたから、
身体がブレーキの体勢になったんだ。負けたよ。
霊烏路 空:
お燐! 私も一位になれたよ!
これで、一緒に最後の種目に出られる!
火焔猫 燐:
うん。安心したよ、お空。
それじゃ……、また後で。
霊烏路 空:
お、お燐?
霊烏路 空:
なんか、元気ないな。どうしたんだろ。
体調でも悪いのかな……。