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人間の里
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女の子:
ハニ次郎は悪くないの!
迷子になった私を探しに来てくれて……。
ハニワ反対派:
子供を手懐けて、なんてあくどいハニワだ。
いっそ、この場で壊してしまえ!
霧雨 魔理沙:
ここは私が抑えるから、早く逃げろ!
女の子:
ありがとう、お姉ちゃん……!
魂魄 妖夢:
あれは手作りハニワよ!
しかも、持ち主の子の目の前で……。
ハニワ反対派:
し、しかしだな。ハニワをなんとかしないと、
俺たちの生活が……。
霧雨 魔理沙:
私たちは、異変解決のプロだ。
やつらと戦ったこともある。
霧雨 魔理沙:
この件を任せてくれたら、絶対に解決するよ。
だから、私たちを信じてくれっ!
ハニワ反対派:
そ、そこまで言うなら……。
みんな。この場は引き上げよう。
霧雨 魔理沙:
行ってくれたか……。
なんとか悲劇は回避できたな。
魂魄 妖夢:
霊長園に向かいましょう。あそこなら、
周りを気にせず弾幕勝負を挑めるわ。
霧雨 魔理沙:
だな。里の人たちを巻き込まずに済む。
よーし、霊長園に殴り込みだ!
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畜生界
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霧雨 魔理沙:
どこもかしこも、武装したハニワ兵だらけだ。
あれじゃ、とても霊長園に近づけないな。
魂魄 妖夢:
これは一筋縄じゃいかないわね。
何か対策を考えないと……。
霧雨 魔理沙:
あれだけ大口を叩いておいて気が引けるが、
さすがに一度、引き返すか……ん?
魂魄 妖夢:
こいしさん、どうしてこんな所に!?
霊長園に行ったんじゃなかったの?
古明地 こいし:
また遊びに来るって言ったでしょ?
で、霊長園から戻ってきたの。
霧雨 魔理沙:
ついさっきじゃないか。
どれだけ里で遊びたいんだよ。
魂魄 妖夢:
ねえ、これって説得のチャンスじゃない?
霊長園に忍び込む方法を教えてもらえるかも。
霧雨 魔理沙:
たしかに! ……なあ、こいし。
私たちに協力してくれないか?
古明地 こいし:
それはダメ。だって私、ハニワになりたいもん。
二人の方こそ、ハニワになればいいのに。
霧雨 魔理沙:
はぁ? ハニワになんか、なれるかよ。
そんな気味の悪い……。
古明地 こいし:
そうかな? ずっと疲れないで遊べるなんて、
こんな楽しいことないと思うけどな。
古明地 こいし:
それにあの女の子だって、ハニワになれば
ずっとハニ次郎といっしょにいられるよ?
霧雨 魔理沙:
それは、そうかもしれないが……。
魂魄 妖夢:
何を言いくるめられてるの。
しっかりしてよ、魔理沙!
魂魄 妖夢:
言っておくけど、私は半人半霊であることに
誇りがあるの。ハニワの身体なんて願い下げよ。
魂魄 妖夢:
それと、こいしさん。あなたがハニワに
なっても、別に楽しいことは増えないわよ。
古明地 こいし:
……え? そうなの?
霧雨 魔理沙:
あの白蓮に「『空』の境地に至っている」とまで
言われたんだろ? お前。
魂魄 妖夢:
ハニワになってまで解放されたい
苦痛や恐怖なんて、今更ないでしょう?
古明地 こいし:
あっ……。言われてみると、そうかも。
私、毎日が楽しいし……。
魂魄 妖夢:
しかも人間の里は、ハニワの影響で混乱の渦。
遊びにいっても、楽しめるはずないわ。
魂魄 妖夢:
そこに考えが及ばないのは、あの造形神の
言いなりになって、思考停止している証拠よ。
古明地 こいし:
しょぼん……。
霧雨 魔理沙:
言いなり……思考停止……か。
古明地 こいし:
里で遊べなくなっちゃうのは、やだな……。
私、どうしたらいいの?
魂魄 妖夢:
霊長園に行く方法があれば、教えてほしいの。
私と魔理沙で、カタをつけるから。
古明地 こいし:
あっ。それなら、なんとかなるかも。
ハニワ兵が見張ってるけど、実は……。
霧雨 魔理沙:
ふむふむ。それなら、いい案がある。
まずは三人で手分けして……。
魂魄 妖夢:
確かにいけるかも。
じゃあ、さっそく行動開始よ!