--------------
洞窟の中
--------------
藤原 妹紅:
逃がすかッ! この身もろとも、
お前を焼きつくしてやる!
ルーミア:
わぁーーー! 炎が追いかけてくるぅー!?
それに、明るくて闇に隠れられないわ!!
宇佐見 菫子:
いつの間にやら、形勢逆転ね!
そりゃっ!
ルーミア:
わあっ、危ない! でも、そんなに燃えてたら
私より早く、消し炭になっちゃうんじゃない?
藤原 妹紅:
さーて、それはどうかな?
リザレクション!
ルーミア:
また復活した!!
もー、どうやって倒せばいいのよー!!
宇佐見 菫子:
妹紅さん、あんまり無茶しないで……きゃっ!
あ、ありがとう!
藤原 妹紅:
力を抑えて勝てる相手じゃない。
お前も油断するな! ……リザレクション!
宇佐見 菫子:
そ、それはわかってるけど! でも……!
宇佐見 菫子:
(いくら死なないからって、
こんな無茶苦茶な戦い方、見てられない……!)
ルーミア:
なんだよー、いつまで追いかけてくるのよ……
って、ああ! わかったぞ!
ルーミア:
あんたたち、私を洞窟の外に追い出そうって
魂胆ね! そうはさせないわ!
宇佐見 菫子:
ヤバイ、気づかれちゃった!
どうしよう、妹紅さん!!
藤原 妹紅:
仕方ない、最終手段だ。
ぐっ……うう……。
藤原 妹紅:
「パゼストバイフェニックス」!
宇佐見 菫子:
ひゃあっ! ひ、火の鳥が……。
あれが、妹紅さん……?
ルーミア:
うわぁ! 何よこの鳥、実体がないの!?
くそ~っ、どうしたら離れるんだー!?
ルーミア:
つ、ついてこないで~~~!!
って、あれ? この眩しさは……。
ルーミア:
ああ、いつの間にか外に……。
日光はダメなのよ~~~……。
藤原 妹紅:
菫子、今だ! トドメを!!
宇佐見 菫子:
わ、わかった!
ええーい、くらえーーーッ!!
ルーミア:
うう、やられたわ~……。
藤原 妹紅:
ふぅ。なんとか一件落着だな。
策がハマったようで、よかったよ。
宇佐見 菫子:
妹紅さんの予想通り、日の光が苦手だったね!
目に見えて弱ったから、びっくりしちゃった。
宇佐見 菫子:
それはそれとして……。妹紅さん、
あんな戦い方は、もうやめてほしいなーって……。
宇佐見 菫子:
あそこまでしなくても、戦えるでしょ?
妹紅さん、強いもの。だから、さ……?
藤原 妹紅:
……自分は、この戦い方しか知らない。
それに、変えるつもりもない。
宇佐見 菫子:
で、でも……!
藤原 妹紅:
この程度で動揺するなら、
お前。幻想郷に向いてないぞ。
藤原 妹紅:
向こうには、危険な妖怪がたくさんいる。
そんな甘えた考えで、いられる場所じゃない。
宇佐見 菫子:
そんなことないよ! いい妖怪だって、
いっぱいいるもの。楽しい所でしょ、幻想郷は!
藤原 妹紅:
危険な所だよ、幻想郷は。
特に、お前みたいな一般人にとってはな。
宇佐見 菫子:
も、妹紅さん……。
なんで、そんなこと言うの……?
藤原 妹紅:
元の世界でやってくのも悪くないんじゃないか?
……私には、できなかったことだから。
藤原 妹紅:
さて、そろそろ幻想郷に戻る頃合いか……。
おい、起きろルーミア。お前も一緒に帰るぞ。
ルーミア:
ううー……もっと人間、食べたかったな……。
藤原 妹紅:
じゃあな、菫子。それから……
お前はいつまで、こっちにいるんだ?
宇佐見 菫子:
……え?
藤原 妹紅:
そろそろそっちに帰ることも、考えてくれよ。
みんな心配してるだろうからさ。
宇佐見 菫子:
……え、え?