-------------- 博麗神社境内 -------------- 庭渡 久侘歌： あら？　境内が賑やかね。 何をしているのかしら……。 庭渡 久侘歌： わ～、屋台がたくさん！ なるほど、お祭りの準備をしていたんですね。 驪駒 早鬼： お、地獄の番頭じゃないか。 あんたも屋台を出しに来たのか？ 庭渡 久侘歌： いえ、私はふらっと立ち寄っただけですが……。 勁牙組の組長さんは、地上になんのご用です？ 驪駒 早鬼： 今度の祭に勁牙組も出店しようと思ってな。 その準備をしてるんだ。 驪駒 早鬼： ぜひ、祭の当日も遊びに来てくれよ！ 楽しめること間違いなしだからさ。 庭渡 久侘歌： なるほど。……それにしても、今回のお祭りは、 大掛かりな屋台がたくさんあるようですね。 驪駒 早鬼： ああ、遊べる屋台を出してるやつが多いんだ。 そして、遊びが楽しいのもさることながら…… 驪駒 早鬼： 豪華景品が、今回の目玉だ！　河童製の 最新機器から旅行券まで、選り取り見取りよ！ 庭渡 久侘歌： わっ、こんなにいい物がもらえちゃうんですか？ これは、遊びに来なきゃ損ですね！ 驪駒 早鬼： ふっふっふ、だろう？　ちなみに勁牙組は 射的の屋台を出すから、よろしくな！ 吉弔 八千慧： 私たち鬼傑組は、型抜きの屋台を準備中です。 こちらもごひいきに、地獄の番頭神さま。 庭渡 久侘歌： 貴方は、鬼傑組の！ 貴方も出店するのですか！ 吉弔 八千慧： ええ、博麗神社の巫女に呼ばれましてね。 祭の盛り上げに協力しますよ。 吉弔 八千慧： ……早鬼。今、お時間よろしいですか？ 例の件で、話があります。 驪駒 早鬼： ん……ああ、わかった。 それじゃあまた、祭で会おう！ 庭渡 久侘歌： あら？　あの二人って、 仲が悪いんじゃなかったかしら。 庭渡 久侘歌： 何か企んでいるのかも。念のため、 閻魔様に報告しましょうか……、ん？ 庭渡 久侘歌： な、なんの音？　何かが迫ってきて……。 キャーーー！！ 吉弔 八千慧： ……で、例の件は、 どの程度、進みましたか？ 驪駒 早鬼： ああ、人間の屋台はすべて完了だ。 しっかり受け取ってもらったよ、「あの紙」をね。 吉弔 八千慧： それは重畳ちょうじょう。これで、すべての屋台に 我々の手が入りましたね。計画は順調です。 驪駒 早鬼： ふっふっふ、楽しみだねぇ。 いったい、どんな成果が上がるのか…… 吉弔 八千慧： ええ。くれぐれも、霊夢や他の者には 気取られないように……。 庭渡 久侘歌： 早鬼さん、八千慧さーん！ もー、どこ行ったの！　たいへんですよー！！ 吉弔 八千慧： 何やら、我々を探す声が聞こえますね……。 話は済みましたし、そろそろ戻りますか。 驪駒 早鬼： おーい、私たちはここだ。 そんなに慌てて、どうしたんだ？ 庭渡 久侘歌： あっ、いたいた！　たいへんです！ すぐに境内に来てください！ 驪駒 早鬼： な、何もない……！？　 あんなにあった屋台が、全部消えただと！？ 吉弔 八千慧： そんな！　私たちが席を外していたのは、 ほんの数分ですよ！？　いったい何が……。 庭渡 久侘歌： あれはお二人が去って、すぐのことでした。 屋台が……すべて奪われてしまったんです！