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天界ビーチ
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博麗 霊夢:
……うひゃあ! 冷たい!
これが海なのね!
霧雨 魔理沙:
うおお、足裏の砂が持ってかれる……。
ゾワゾワするけど、気持ちいいな!
十六夜 咲夜:
いいお天気……。こんな日は、
お洗濯をして、窓を開けて換気をして……。
東風谷 早苗:
咲夜さーん? そんな所に立ってないで、
こっちに来て遊びましょう!
十六夜 咲夜:
ん……? あ、ええ。今、そっちに行くわ。
東風谷 早苗:
…………。
東風谷 早苗:
えいっ。
十六夜 咲夜:
……きゃっ、冷たい!
東風谷 早苗:
あはは! 咲夜さん、隙あり!
どうです? これが、海の遊び方なんですよー!
十六夜 咲夜:
へえ、そういうことなら……。
それっ、お返しよ!
東風谷 早苗:
きゃっ! やりましたね!
ならこっちも、まだまだ~!
博麗 霊夢:
こらー! 二人だけで楽しんでんじゃないわよ!
霧雨 魔理沙:
そうだそうだ! 私たちも混ぜろー!
そらっ! 超速水かけだっ!
十六夜 咲夜:
ひゃっ!? もう……、ふふふっ。もう!
やったわねー!?
十六夜 咲夜:
すっかり、びしょぬれになっちゃった。
博麗 霊夢:
ホントね。少し、はしゃぎすぎたわ。
ひとまず、浜に戻ってきたけど……。
博麗 霊夢:
まだ準備中だからか、全然人がいないのね。
貸し切り状態じゃない。
東風谷 早苗:
そんなことより、次は砂遊びをしませんか?
熊手にスコップ、バケツも持ってきてます!
博麗 霊夢:
砂遊び、ね。
具体的には、どんなことをするの?
東風谷 早苗:
見ててください。こうして砂と水を混ぜて
固めて……ほら、砂の土台ができました!
東風谷 早苗:
この上にどんどん砂を重ねていって、
お城を作っていくんです!
十六夜 咲夜:
あんなにサラサラだった砂が、
こんなに固まるなんて……不思議ね。
霧雨 魔理沙:
それなら、もっとド派手な城を作らないか?
砂は、いくらでもあるんだし。
東風谷 早苗:
そうですね! せっかくなら、
とびっきり大きなお城を作りましょう!
東風谷 早苗:
咲夜さんは、バケツに水を汲んでください!
たくさん必要になりそうですから!
十六夜 咲夜:
水汲みね、任せて。
東風谷 早苗:
できました! なんて立派な砂のお城……!
これはもう、ちょっとした芸術品ですよ。
十六夜 咲夜:
ええ、現実のお城と見紛うほどの城壁……。
記念に持ち帰りたいぐらい……あら?
博麗 霊夢:
え、なんであんな大きな波が……って、
マズい! このままだと……!
四人:
ああっーー!!
霧雨 魔理沙:
砂の城が崩れちゃったぞ!?
ぐぬぬ、波のやつ~!
十六夜 咲夜:
砂上の楼閣とは、よく言ったものね……。
東風谷 早苗:
これも砂遊びの醍醐味、また作ればいいんです。
今度は、小石の防波堤を作りましょう!
霧雨 魔理沙:
それもう、砂遊びっていうより、
石遊びになってないか?
博麗 霊夢:
……気のせいかしら。大波の向こうになにか、
大きな白い影が見えたような……。
比那名居 天子:
ふむ。あの4人、
楽しそうに砂遊びをしてるみたいね……。
永江 衣玖:
総領娘様。例の「揺れ」についてですが……。
比那名居 天子:
調査ご苦労。その様子だと、
めぼしい情報は見つかってないみたいだね。
比那名居 天子:
彼女たちが来たことで何か変わるかもしれないし、
とりあえず、もう少し様子を見よう。
永江 衣玖:
では、私は一度、ビーチの手伝いに戻ります。
比那名居 天子:
うん。唯一のスタッフとして、頼んだよ。
さーて、私もちょっと海で遊ぼうかな!