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天界ビーチ
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霧雨 魔理沙:
のわわわ!? 海が割れたはいいが、
あの巨大イカ、動き出したぞ!?
四人:
わああああああ!?
博麗 霊夢:
ちょっと!? こっちめがけて、
でっかい足をぶつけにきたわよ!?
東風谷 早苗:
あんなのに当たったら、ひとたまりも……。
あ、スペルカードの効果が終わっちゃう!
十六夜 咲夜:
海が元の姿に……!?
みんな、気をつけて! 大波がやってくるわ!
霧雨 魔理沙:
ぐぷぷ……。流される~……。
比那名居 天子:
あの動き……!?
巨大イカめ、大渦を発生させる気か!?
東風谷 早苗:
あ……っ。
十六夜 咲夜:
早苗!?
……っ、時間を止めて、助けに……!
十六夜 咲夜:
届く……あと、もう少し!
……あ!?
十六夜 咲夜:
そんな、待って!
早苗……早苗ええええええええええ!
東風谷 早苗:
こ……こは……?
東風谷 早苗:
そうだ。私、大渦に沈められて……。
じゃあ、ここは海の底……?
東風谷 早苗:
ん……なに? 向こうのほうで、光が……?
あの景色……まさか幻想郷?
東風谷 早苗:
どうして、海の中に幻想郷が……?
十六夜 咲夜:
…………早苗っ!!
十六夜 咲夜:
よかった、見つけた……!
東風谷 早苗:
咲夜さん! 助けにきてくれたんですね。
ありがとう……って、あれは!?
博麗 霊夢:
こおおんのー!
巨体のくせに、ちょこまかと動いて!
霧雨 魔理沙:
こいつ、魔法を食らってもピンピンしてるぜ。
もはや、ただのイカじゃ……どぅわ!?
永江 衣玖:
総領娘様、お下がりください。
ここは、私の電撃をお見舞いしてやります!
比那名居 天子:
バカ! そんなことしたら、
私たちまで黒焦げに……ひゃあ!?
十六夜 咲夜:
みんな必死に戦ってるけど、
このままじゃ、らちが明かないわ。
東風谷 早苗:
……そうだ! 奇跡で渦を起こして、
みんなを海上へ押し上げれば……!
十六夜 咲夜:
……あのイカごと陸に上げようってわけね。
任せて! あいつの注意を引きつけておくわ!
十六夜 咲夜:
しっかり足に狙いを定めて……そこ!
霧雨 魔理沙:
ひゅー! 咲夜のナイフが、
イカの足を切り落としたぜ!
十六夜 咲夜:
早苗! 今のうちよ!
東風谷 早苗:
来たれ、荒れ狂う大渦よ。
その力を、我が前に示せ!
博麗 霊夢:
えっ、また大渦!?
ちょっ、待っ……! きゃあああ!!
十六夜 咲夜:
ふぅ。無事に陸に上がれたわね……。
みんな、大丈夫?
霧雨 魔理沙:
ああ、なんとかな……。
大渦に呑まれたときは、どうなるかと思ったよ。
霧雨 魔理沙:
ははっ! この巨大イカ、陸に上がったら
すっかり大人しくなっちまったな。
比那名居 天子:
みんな、よくやってくれたな!
巨大イカ退治の協力、感謝するよ。
東風谷 早苗:
……あの、天子さん。
東風谷 早苗:
私、さきほど海底で幻想郷のような景色を
見たのですが、あれはいったい……。
比那名居 天子:
海底の幻想郷? なんだそれ。
そんなの、私は知らないぞ。
比那名居 天子:
ただ、考えられるとしたら……そうだな。
雲海の底という場所によるものかもしれない。
比那名居 天子:
雲海とは、天上と地上の境にあるもの。
すなわち、天地を分ける境界ともいえる。
比那名居 天子:
その海の底ともなれば、境界の向こうにある
異なる世界の幻を見ても不思議ではない、だろう?
東風谷 早苗:
異なる、世界の……。
十六夜 咲夜:
早苗? 考え込んじゃって、どうしたの?
東風谷 早苗:
ああ、いえ、なんでもありません。
比那名居 天子:
……さて。夜も更けてきたし、
夏にピッタリの花火大会でもしようか!
東風谷 早苗:
花火大会!
素敵ですね、ぜひやりましょう!