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天界ビーチ(夜)
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比那名居 天子:
まずは、打ち上げ花火に点火してっと。
よぉし、みんな離れろー!
東風谷 早苗:
すごい! 夜空に大きなヒマワリが……!
霧雨 魔理沙:
そぉれ、くるくるくる~! はははっ!
空を飛びながらの花火は楽しいなー!
博麗 霊夢:
魔理沙、見て見てー!
ほら、星型の花火よ~!
東風谷 早苗:
お二人とも、火傷しないでくださいねー!
あら、咲夜さん。こんな所で何を……。
東風谷 早苗:
って、ええええええ!?
巨大イカが、こんがり焼けてるー!?
霧雨 魔理沙:
美味そうな匂いがするな……って、
なんじゃこりゃー!?
博麗 霊夢:
げぇ、これ、あの巨大イカ!?
うわー、すっかり見違えちゃって……。
十六夜 咲夜:
もったいないから、丸焼きにしてみたの。
東風谷 早苗:
はわわ……。こんな巨大なゲソ焼き、
生まれてはじめて見ましたよ……。
十六夜 咲夜:
いくらでもあるから、みんなで分けましょう。
ムグムグ……案外イケるわよ、これ。
東風谷 早苗:
花火を楽しんだ後は、イカの丸焼きを楽しむ。
これはこれで、夏っぽいかもですね。
十六夜 咲夜:
はい、早苗。貴方もおひとつどうぞ。
東風谷 早苗:
わっ、醤油バターだ!
ありがとうございます! う~ん、おいひい!
十六夜 咲夜:
お礼を言うのは、私のほう。
……あのね、早苗。ありがとう。
東風谷 早苗:
ほへ?
十六夜 咲夜:
早苗が、夏の遊びを教えてくれたから、
おかげで私、夏休みを満喫しちゃった。
十六夜 咲夜:
ここ最近、調子が悪くて、
落ち込んだり、悩んだりもしたんだけどね。
十六夜 咲夜:
でも、貴方たちと遊んだら、
なんだか、気持ちが楽になったわ。
東風谷 早苗:
咲夜さん……。
十六夜 咲夜:
だから、ありがとう。楽しかった。
今日が終わらなければいいのにって思うくらい……
東風谷 早苗:
はい! 私も、とっても楽しかったです!
霧雨 魔理沙:
いやー、食べた食べた。
咲夜の言う通り、意外と美味しかったな。
永江 衣玖:
総領娘様、ただいま戻りました。
比那名居 天子:
あぁ、衣玖。天人たちへの報告、ご苦労様。
……って、そのスイカ、どうしたんだ?
永江 衣玖:
あ、これですか?
そこの浜辺に落ちていたんです。
東風谷 早苗:
そういえば、いろいろあって、
スイカ割りのことを忘れていましたね。
博麗 霊夢:
せっかくだし、続きでもやる?
比那名居 天子:
棒でスイカを叩く遊びだろう?
私にも、やらせてくれ!
比那名居 天子:
そーれっ! ……て、あれ?
木っ端みじんになっちゃった。
霧雨 魔理沙:
何してんだー!?
あーあ、大切なスイカが……。
東風谷 早苗:
あはは……。
これはこれで、幻想郷のスイカ割りらしいかも?
比那名居 天子:
ところで、衣玖。
天人たちの反応はどうだった?
永江 衣玖:
総領娘様を評価していましたよ。
巨大イカ退治、見事だったと。
永江 衣玖:
安全確保ができたので、
天界ビーチの移動許可が下りました。
比那名居 天子:
ふっ、当然の結果だな。新・天界ビーチを、
もっと楽しく盛り上げてやるぞー!
永江 衣玖:
(また面倒ごとに巻き込まれそうですね。
はぁ、総領娘様の監視役は疲れます……)
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後日
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十六夜 咲夜:
お掃除とお洗濯、それから、お茶のご用意。
ふぅ、忙しい忙しい……。
十六夜 咲夜:
お客さん? 誰かしら。
東風谷 早苗:
あ、咲夜さーん! おひさしぶりです。
十六夜 咲夜:
早苗! どうしたの?こんなところまで。
東風谷 早苗:
いえ、どちらかというと、
咲夜さんにお渡ししたいものがあって……。
東風谷 早苗:
じゃじゃーん! 新・天界ビーチの無料招待券です!
天子さんからいただいたので、渡しに来ました!
十六夜 咲夜:
天界ビーチか。
あそこでは、いろいろあったわね。
東風谷 早苗:
そうですね。咲夜さんや、みなさんと、
楽しい夏のひと時を過ごせました。
十六夜 咲夜:
巨大イカには、さすがにびっくりしたけどね。
あそこでしかできない体験だったわ。
十六夜 咲夜:
あ、そうだ。早苗、ちょっと見ていて。
このナイフが……、それっ!
東風谷 早苗:
わぁ、瞬間移動! 相変わらず、すごい手品ですね。
……って、あれ? 咲夜さん、もしかして……!
十六夜 咲夜:
あのときの不調は、もうすっかり治ったわ。
いつも通り、時間を止めるのも自由自在よ。
十六夜 咲夜:
きっと、あの夏休みのおかげね。
早苗、いっしょに遊んでくれて本当にありがとう。
東風谷 早苗:
いえいえ! 私も、楽しかったですし!
東風谷 早苗:
……夏も、もう終わっちゃいますね。
咲夜さん、来年もまた、遊びにいきましょうね!
十六夜 咲夜:
ええ、もちろん。今年のお返しに、
次は、私が遊びを教えてあげるわ!